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記録的大干ばつによる穀物被害深刻、影響は多方面に |
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トウモロコシ収穫量の大幅落ち込みを確認 - USDA |
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米国農務省(USDA)は最新のトウモロコシ需給見通しで、単収は1エーカー当たり123.4ブッシェル、収穫量は107億7,900万ブッシェルと予測した。5月予測値の単収166ブッシェル、収穫量147億9,000万ブッシェルから大きく後退している。単収は前年より23.8ブッシェル低下し、1995年以来最も少なく、収穫量は2006年以来最少となるだろう。
※2012年8月13日 Cattle Buyers Weekly
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トウモロコシ・大豆:2012〜13年の期末在庫は最少に |
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USDAは「Crop Production」8月号で、国産トウモロコシ・大豆の収穫量の減産の見通しを発表した。今後数年間は消費量大幅カットの必要性を認めている。価格生産予測の増減や割当制度の実施を受けて、価格の変動が始まるだろう。8月度生産予測に基づいて、USDAは2012〜13年度のトウモロコシ・大豆期末在庫は最少になると予想している。大量の輸入増と在庫削減にも関わらず、予算年度内にトウモロコシは10.1%、大豆は12.7%の消費量カットが必要だ。
USDAはトウモロコシのエタノール向け使用を、前年比5億ブッシェル削減と予測しているが、エタノール依存度やガソリンと比較した低価格を考えると、削減量は5億ブッシェル未満になるだろう。大豆は収穫量減少のため、国産クラッシュで10.4%、輸出で17.8%の減少になるだろう。
※2012年8月13日 イリノイ大学農業・消費経済学部 ダレル・グッド教授
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干ばつで主要素牛産地に打撃 |
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素牛農家が多い州で、干ばつによる牧草地の荒廃が続いている。そのため、母牛のと畜が予想より多い状態が続く見込みだ。来年1月1日の母牛頭数は今年7月1日対比で、恐らく2.9%以上減少するだろう。2010〜2011年の干ばつはテキサス・オクラホマが中心で、生産者は北方の州にできるだけ多くの牛を避難させた。しかし今年は広範囲にわたる干ばつ被害で、母牛の移動先も限定されている。
今年はミズーリの状況が飛び抜けて悪い。母牛頭数全米3位182万7,000頭の同州では、「不良」・「極めて不良」と評価された牧草地は99%に達している。188万4,000頭で2位のネブラスカと、142万7,000頭で5位のカンザスでは共に89%、172万8,000頭で4位のオクラホマは76%を記録した。 この4州で全米の母牛の23%を飼育している。
グレート・プレーンズとコーンベルトの牧草地は、ここ17年来最悪の状態にある。分析した4地域の母牛頭数は全米の90%近くを占め、うち64%の頭数をかかえる3地域では、牧草地の60%が「不良」・「極めて不良」の評価を受けている。
※2012年8月13日 Cattle Buyers Weekly
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干ばつで導入頭数再び増加 |
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全米各地で続く干ばつの影響で、やむなくフィードロットに送られる肉牛の頭数は2ヵ月連続で増加している。フィードロット外の肥育牛・子牛頭数が3.3%減少する中、8月17日のCattle On Feedレポートでは、7月導入頭数は前年比8〜10%減にとどまる見込みだ。昨年はテキサス・オクラホマを中心にした未曾有の干ばつのため、7月導入頭数は2010年比で22.5%増を記録した。そのため、先月の導入頭数は7月度の5年平均値を上回ると予想されていた。5月は前年比15.3%増、6月は同1.8%減だった。
導入パターンを見ると、第4四半期は市場に出荷される肉牛頭数が予測より多くなりそうだ。またこの四半期中は過去最多の枝肉重量が続く見通しだ。これらは第4四半期の牛肉生産量が、予想よりはるかに昨年実績に近くなることを意味している。しかし先物相場は、8月9日の終値に基づいて、生体牛価格を125ドルから128ドルと予想している。
※2012年8月13日 Cattle Buyers Weekly
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USDA 畜産農家から食肉1億7,000万ドル買い上げ |
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USDAは8月13日、干ばつ被害に苦しむ畜産生産者の救済対策として、1億7,000万ドル相当の豚肉、鶏肉、羊肉、ナマズの買い上げを発表した。内訳は豚肉1億ドル、鶏肉5,000万ドル、羊肉とナマズはそれぞれ1,000万ドル。買い上げ分は、フードバンクを含む既存の連邦食糧・栄養補助制度を通じて配布される。
一方、オバマ大統領は国防総省に対し、食肉の買い上げと冷凍の作業を急ぐよう指示した。また、農家に助成金を支給する農業法案の議会通過を要請する意向だ。
※2012年8月13日 Meatingplace.com
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