5月の生体牛現金取引価格は、予想に反して高値で推移している。出荷可能牛頭数が前年比で大幅に増加するという予測のもと、5月1日の6月分生体牛先物相場は、終値で113.52ドルをつけた。しかし、5月1週の生体牛現金取引価格は平均120〜121ドルに上昇し、2週目も高値が続いた。3週の5月17日、6月分先物相場は終値117.92ドルだった。アナリストによると、先物相場が抵抗点を越え、春の最安値には戻らないことを示唆している。
注目が集まる出荷可能牛頭数について、一部のアナリストは、5月1日現在の頭数は昨年に比べて少なくとも60万頭多いと推定している。しかしパッカー側によると、と畜数増加に必要な頭数の確保に苦労しているという。牛は一定の期間内に出荷する必要があるため、肥育業者が頭数を控えめに発表しているせいだとアナリストは述べている。加えて昨年のこの時期と同様にグレードが落ちている。2月最終週は66.09%の牛がチョイスに格付けされたが、4月最終週には62.53%に下がった。
5月1日現在の飼養頭数(1,000頭以上のフィードロット対象)は、導入頭数が増加した昨年4月より大幅に減少したことから、前年比でほぼ横ばいとなった。導入頭数減少の原因として、牧場の状態の改善、肥育業者の赤字、肥育牛の供給頭数減少を挙げている。
導入頭数は前年割れが続く見込みだ。5月の導入頭数は、国内に残っている肥育牛の減少により、かなり少ない可能性がある。導入頭数と肥育頭数の減少は、現在の先物相場が示唆する以上に、9月から年末までの肥育牛価格を下支えするかもしれない。これによって、肥育業者の赤字も緩和されるだろうとアナリストは述べている。
第1四半期の米国の豚肉(バラエティミートを含む)輸出量は、前年同期より8%増の59万8,000トン。輸出額は20%も増加して16億ドルを超えた。
牛肉は、輸出額が4%増の12億5,000万ドルを記録したが、輸出量は10%減の26万6,388トンに落ち込んだ。
米国の豚肉輸出量は、引き続きメキシコ向けが1位、中国/香港も2011年下半期は極めて好調だった。牛肉輸出量でもメキシコ向けは13%減少したが、依然として首位で、カナダ向けも昨年並みの輸出量があった。
BSEの影響により、日本向けの牛肉輸出量は7%減の2万9,695トンにとどまったが、輸出額は10%増の1億9,400万ドルに達した。日本市場では、オーストラリア産牛肉の対日輸出が2012年度14%減少し、米国産のシェア増大が続いている。(%はいずれも前年同期比)
米国農務省(USDA)は最新の世界農産物需給推計(WASDE)で2013年の食肉関連の予測を発表した。生産量は、豚肉・鶏肉の増産が牛肉の減産を十分補って、2012年を上回る見込みだ。
飼料費の値下がりと、下降気味とはいえ比較的高い成豚・ブロイラー・ターキー価格が、引き続き豚肉・鶏肉増産の動機づけになると予測している。
2013年は肥育牛不足やと畜頭数減少の影響で減産になる。牛肉の供給不足と生体牛の高値のため、輸出が制約される。
2012年は枝肉重量やと畜頭数の増加で増産が見込まれる。輸出は第1四半期実績で減退が予想されるため、前月予測値から下がっている。一方、肉牛頭数減少と出荷保留頭数の増加でと畜数が減少するため、輸入は増加する見通しだ。
2013年は枝肉重量が多少増加し、わずかながら増産となる。
分娩数の増加はわずかだが、1頭当たりの産子数の伸びが続くため、2012年と同じペースでの豚肉増産が期待される。
供給量の増加で成豚価格が下がるため、2013年の輸出は増加し、輸入は横ばいとなる。
2012年の輸出は、第1四半期実績が好調で、予想される下半期の不振を十分補っているため、前回予測を若干上方修正している。
USDAは5月10日、今年のトウモロコシ予想収穫量は昨年より24億ブッシェル多い、過去最高の148億ブッシェルに達すると発表した。近年トウモロコシ価格を引き上げていた供給不足を十分補強する量で、これを受けてトウモロコシ先物価格が下落した。
2012/2013事業年度の初回予測として、USDAは更に500万エーカー分の収穫を見込んでいる。過去16年で最低の在庫量にもかかわらず、今年度の収穫終了後、トウモロコシ供給量は過去最高の157億ブッシェルになる。USDAは季節平均農場渡し価格を、2011/2012年度の1ブッシェル5.95〜6.25ドルから大幅安の4.20〜5.00ドルと推定している。
また米国農務省経済調査局(ERS)は、2012/2013年度のトウモロコシを含む穀物飼料生産量が、2011/2012年度の3億2,400万トンから3億9,000万トンに増加すると予想している。4種類の穀物飼料の作付面積は560万エーカー増え、収穫面積は前期の9,110万エーカーから増えて9,830万エーカーが見込まれる。
2012年5月24日現在
米国食肉輸出連合会(USMEF)は年二回の総会を開催し、メンバーや海外市場関係者の交流の場を提供することで、より円滑な輸出と市場拡大を図っている。今年はルイジアナ州ニューオーリンズで5月23〜25日、日本などの主要企業の購買・販促担当者約100名を招いて開催された。セング会長は冒頭の全体会議で、「米国畜産業の拡大は輸出を軸にして展開することが重要」だと強調。 部会では、日本の業界・消費者向け活動の報告や市場の継続的多様化、輸入制度の見直しによるアメリカンビーフの市場拡大の可能性について、日本からのゲストを交えて意見交換が行われた。 また、SNS等を活用した新しい消費者向け活動も注目を集め、アメリカンポークの日本でのシェア拡大も含め、今後の活動に期待が寄せられた。
5月17日から21日にかけて、フロリダ半島を中心に南部の大西洋沿岸州は雨が続き、干ばつによる乾燥状態が緩和される。フロリダでは5日間の降雨量が1〜3インチに達し、一部地域ではそれより多くなるだろう。一方で大平原州北部・中央部、中西部北方は、総雨量は1インチ未満だが、概ね軽いにわか雨からやや激しいにわか雨が降る。それ以外の地域は、南カリフォルニアからサザン・プレーンズ、及び南部中央からオハイオ渓谷にかけて、5月21日までは主に乾燥した天気になるだろう。
国立測候所(CPC)発表の5月22日から26日までの予報によると、平年より涼しいフロリダと北西部を除き、全国的に気温は平年を上回る。北東部、及びカリフォルニアから大平原州中央部・南部の降雨量は平年を下回る。対照的に大西洋沿岸南部と本土北方の太平洋北西部からミネソタまでは、平年より雨が多くなる。
牛肉市況(5月14日〜18日)
豚肉市況(5月14日〜18日)