と畜頭数の急減を受けて、パッカーは現金取引市場の牛肉卸売価格を大幅に値上げしている。4月20日のチョイスは、前週12日より10.38ドル高の187.08ドルを記録して3月以来の最高値となり、セレクトは同7.95ドル高だった。
3月初めから低迷していた牛肉卸売価格の急上昇は、パッカーの営業マージンを大幅に改善させ、安定した生体牛の買い付けを促進した。しかし小売業者にとっては、この価格上昇によって、メモリアル・デー連休から6月上旬に向けた積極的なキャンペーンの実施がさらに困難になる。
一方、生体牛先物相場では、6月分の終値が2月22日に過去最高の128.85ドルをつけた。牛肉需要の停滞やと畜頭数の減少、それを受けた出荷可能牛の過剰といった弱含みの市況下、生体牛先物市場は3月まで強気で推移し、買いすぎ傾向も見られていた。しかし今後の生体牛価格への期待薄を反映して、4月10日には114.30ドルに急落した。4月19日には反発して115.85ドルになったが、6月分契約の相場が現在の現金取引価格に対抗できる水準まで上昇しない限り、肥育業者のマージンは非常に厳しいものとなる。
肥育事業のマージンがマイナスとなり、生体牛の供給不足から肥育牛が値上がりして、3月の導入頭数は前年比で10%減少した。4月20日付のCattle On Feedレポートでは、3月度導入頭数は前年比6%減、4月1日現在の飼養頭数は2%増と報告されている。それよりもアナリストは、この先30日から60日以内に出荷する必要がある肉牛頭数の増大を懸念している。4月1日時点で飼育120日以上の牛頭数は2008年以来最多、一方、5月1日時点の先行出荷頭数は昨年比で50万頭多いと推定される。
輸出量で58%、輸出額で3倍と大きく伸び、マッスルカットの低関税率割当(TRQ)が4万1,700トンから6万トンに拡大したことから、今後も更に増加が期待される。
好調なエジプトが牽引して、輸出量は13%、輸出額は19%増加した。アラブ首長国連邦とサウジアラビアの輸出量は減少したが、輸出額は大幅に増加した。
堅調なチリ、ペルー、グアテマラが主導し、輸出量は63%、輸出額は91%増加した。当初はバラエティーミートに限定していたが、米国牛肉業界の努力でマッスルカットの輸出も拡大した。
輸出量、輸出額ともに第1位の輸出先だが、輸出量は6%減少し、輸出額は13%増加した。
輸出量は3%減少し、輸出額は11%増加した。
肉牛月齢制限があるが、輸出量は5%減少し、輸出額は16%増加した。
輸出量は19%減少し、輸出額も15%減少した。
(数字はいずれも1〜2月期の2011年vs2012年)
米国農務省(USDA)は、9月1日に終了する営業年度の残りの期間について、いずれも前月比で家畜飼料は値上がり、ビーフ、ポーク、チキンは増産、トウモロコシ供給量・需要は横ばいと予想している。
生産量は、第1四半期のと畜頭数減少により、年中間期の増産が相殺されて微増。輸出は現在の貿易のペースを考慮して下方修正、輸入はオセアニアからの供給増を見込んで増加。
第1四半期の子豚生産頭数が予想より多く、増産。輸出は増加、成豚価格は安値。
3月31日時点の冷凍ビーフ、ポーク、チキンの市中在庫は、前年比1.5%増の20億7,300万ポンドだった。ビーフの在庫は、例年は3月に減少するが、今年は前月比で6.1%増加している。LFTB(Lean Finely Textured Beef)に関する報道や牛挽肉の需要低迷の影響で急増した。ポークの在庫は2月に大幅に増加し、その傾向は3月も続いた。市中在庫は前年比6.7%増、5年平均比で8.1%増の6億1,260万ポンドだった。
中国政府は生産者マージンを補うため、冷凍豚肉の買い上げで価格を支えている。アナリスト達は、こうした動きが米国産豚肉の対中国輸出の妨げになる可能性を懸念している。
4月2週の出荷価格がキロ当たり2.30ドルに下落し、中国政府は豚肉価格対飼料費の比率が目標の6対1を下回った時点で対策を講じた。中国(本土)の米国産豚肉輸入量は2010年が1億5,590万ポンド、2011年は6億6,770万ポンドと急増して、米国豚肉業界にとって主要市場になっている。
米国食肉輸出連合会(USMEF)は、2012年4月11日(水)、東京アメリカンクラブにおいて、記者発表会を開催し、USMEF会長兼CEO、フィリップ・セングより、2012年のアメリカン・ビーフおよびポーク対日輸出目標を発表した。
昨年のアメリカン・ビーフの対日輸出実績は、12万605トン(前年比131.6%)で、6年連続の輸入量増加。背景として、肉質や味といったアメリカン・ビーフの特長が日本の消費者や業界から求められており、その結果アメリカン・ビーフの需要が伸びたことが挙げられる。また、アメリカン・ポークの対日輸出実績は32万3,654トン(前年比 108.5%)と、7年連続で輸入豚肉市場シェアNo.1を達成。これは、アメリカン・ポークの一貫した品質と汎用性の高さによるものといえる。
2012年の対日輸出目標は、日本の小売、外食業界での取扱量の増加により、ビーフは前年比124%の15万トン、ポークは前年比105%の34万トンと予測している。
4月20日から23日にかけて、前線の南部分がメキシコ湾沿岸地域の中部に低気圧を形成しながら、米本土中部から東部に移動する。低気圧は中心が北東の南北カロライナとバージニア方面に進むにつれて強まる。そのため、2.0から3.5インチの豪雨が予想され、東海岸の州の干ばつを大きく緩和すると期待される。北西方面の五大湖地域と中西部では、1.5から2.0インチの適度の雨もしくは大雨で、乾燥/干ばつが軽減されるだろう。前線の活動は西海岸でも予想されるが、雨は、現在干ばつのない太平洋岸北西部の沿岸部分を中心に降る。
気象予報センター(CPC)発表の4月24日から28日までの予報によると、カナダ国境沿いの州の多くと南カリフォルニアの西部分の降雨は平年より多い。それ以外の、48州の大半の地域の降雨量は平年より少ない。ロッキー山脈西側とアパラチア山脈の間の大部分の地域で、気温は平年を上回る。西海岸とフロリダ半島全域の気温は平年を下回る。
牛肉市況(4月16日〜20日)
豚肉市況(4月16日〜20日)