飼養頭数1,000頭未満の小規模より、大規模フィードロットの方が十分な頭数で埋まった状態が続いているようだ。最新のUSDA発行Cattle on Feedレポートによると、収容規模1,000頭以上のフィードロットの1月1日時点の収容可能総頭数は1,700万頭で、2011年と同数を示している。しかし、昨年は1月1日時点の総飼養頭数*1 と年間出荷頭数は、大規模牧場のほうが多かった。
カリフォルニアを含む5つの州では、1月度の導入頭数は前年を上回った。また導入牛の内訳を見ると、最も重い800ポンド以上のクラスだけが前年比で増加(9%)している。
オクラホマ州立大学ピール教授は、「現在の牛肉市場では、肉牛頭数と牛肉供給の2つの要因が、肉牛と牛肉の価格をこれまでになく高騰させている。牛頭数拡大で肥育牛が更に不足するため、この重圧は今後2〜3年間更に強まり、一方で牛肉需要の回復は遅いだろう」と予測している。
*1:数字は各々収容可能規模5万頭以上フィードロット66ヵ所で416万頭/816万頭に対し、小規模フィードロット64ヵ所は375万頭/747万頭)
オクラホマ州立大学のピール教授は、「今年は干ばつや各地の牧草の状態が保有頭数に大きく影響する可能性もあるが、未経産牛を保有する動機は明らかに整っている。仔牛価格は2011年に前年比で21%上昇し、2012年初め、は26%上がっている。仔牛育成コストは高くなっているが、今の仔牛価格なら、未経産牛の保有を奨励できるレベルの利益がでるだろう」と述べている。
カナダの素牛農家は大幅な頭数拡大に備えているようだが、昨年は前年比0.5%にあたる5万8,000頭の増加に留まった。今年は米ドルとカナダドルの均衡状態とCOOL法の実施に伴う費用がネックになって、引き続きカナダ牛を国内に止めておくことになるだろう。
COOL法は少なくともあと1年は今の形で運用される模様だ。観測筋は、米政府が政治的理由から、期限の3月23日までに世界貿易機関(WTO)の裁決に対して上訴するとしている。その後WTOが上訴を棄却し、米国が更に法的解決を進めるのに1年を要する可能性もある。カナダ産肥育牛の米国向け出荷を促すには、米国の肥育用及び処理用肉牛価格の上昇が続き、カナダ市場との価格差が広がることが必要だ。
今年1、2月、米国産牛肉(内蔵を除く)の輸出は、前年比7%の6,244トン伸びて9万9,800トンに達した(シカゴ・マーカンタイル取引所/3月1日発行) 。
韓国、メキシコ、日本の主要市場向け輸出の減少にもかかわらず全体では伸びたことは、輸出先の多様化が2012年及びそれ以降の成長を支えることを示している。従来は主にブラジルからの供給に依存していたロシアやエジプトが、ドル安を理由に米国産に切り替えたことで、年初7週間の輸出増の先導役になった。
米国食肉協会(AMI)とフードマーケティング協会(FMI)が共同で実施した第7回Power of Meat 調査(回答者1,340名)は、食肉購入にまつわる消費行動を分析している。主な調査結果は以下の通り:
3月2日から5日にかけては、南東部、特にアラバマ北部、ジョージア北部、南北カロライナ全域で豪雨になる可能性が高い。フロリダとメキシコ湾沿岸全域では、この時期、例年並みの適度の雨量がある。太平洋岸北西部は活発な天候パターンが続き、シエラネバダ山脈とユタのワサッチ山脈も同様の天気になる。この予報期間の気温は、西部の大半の地域で平年を下回るが、ロッキー山脈東側の各地では、五大湖からミネソタにかけた地域を除き平年を上回る。
気象予報センター(CPC)発表の3月6日から10日にかけた予報では、太平洋岸北西部でも雨の多い天気になる。南西部とプレーンズ南部の雨量は平年以下で、あまりよい予報は出ていない。西部山間部と太平洋沿岸地域の気温は例年を下回る。テキサスから北東部、南東部の本土の東半分の気温は平年を上回る可能性が高い。
牛肉市況(2月27日〜3月2日)
豚肉市況(2月27日〜3月2日)