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牛頭数、60年ぶりの最低水準に |
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米国内の牛頭数が5年連続で減少している。1月末に発表される牛頭数年次報告書では、9,100万頭を若干上回る可能性はあるが、これは1952年の8,807万2,000頭に次いで少ない数字で、最多を記録した1975年の1億3,202万8,000頭を31%下回る。1950年代以降の大幅な生産性向上で、1952年には100億ポンド未満だった牛肉総生産量は、今年は少なくとも250億ポンドと予想されている。しかし生産者、家畜市場、肥育牛事業、パッカー、その他関連業界に対する頭数減少の影響は今後も続くだろう。
一方で、頭数減少は価格面で素牛農家と子牛育成農家には有利に働いている。今年も全等級で最高値更新が確実だ。昨年は400〜500と700〜800級が前年より18%と21%上昇したが、今年はそれぞれさらに8%上昇しそうだ。しかし、それにはトウモロコシの値下がりと予想を上回る生体牛価格の高値が必要となる。
未曾有の干ばつに見舞われたテキサスでは、1月1日時点の肉牛頭数が前年比で60万頭減少し、502万5,000頭から442万5,000頭に縮小した。これはと畜頭数の増加(20万頭)、州外への移動、入れ替え肉牛頭数の減少が影響している。テキサスからの移動があった州や、昨年牧草の状態が良好だった州など、複数の州では肉牛頭数が増加するだろう。それにより米国南部と南西部を打撃した異常な干ばつの影響で、国内牛頭数の地理的分布と規模の再編が今後どうなっていくのか見極めることができる。
※2012年1月23日 Cattle Buyers Weekly
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今年も生体牛最高値の予想 |
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今年も生体牛の最高値が続き、また意外な価格の動きがあると予想される。昨年一番の驚きは、高値の動向と、春、秋ともに最高値を付けたことだ。今年の注目は、第2四半期に生体牛価格が予想値をどう下回るか、市場のプレッシャーにどう反応するかだろう。Cattle Buyers Weeklyがまとめた7通りの四半期別価格予想の内、6つで第4四半期に最高値が予測され、7案平均の生体牛価格は123ドルになっている。生体牛価格を脅かす最大の要素は、牛肉需要の動向と、牛肉小売価格の値上がりに対する消費者の反応だ。国内外で牛肉需要の大幅な改善がない限り、130ドルを超えるのは極めて厳しいが、飼養肉牛の多くが損益分岐点130ドルを優に上回っている。
今年の商業用と畜総数は昨年比で大幅な減少が見込まれ、去勢牛・未経産牛のと畜頭数が約1.5%減って生体牛価格を後押しする可能性もある。アナリストからは5.2%減、2.7%減といった予測も出されているが、と畜総数が比較的安定していた過去4年間の数字と比較すると対照的だ。
※2012年1月23日 Cattle Buyers Weekly
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