|
● |
来年は牛肉供給不足の懸念 |
|
米国農務省(USDA)の最新予測によると、牛肉の輸入量を減らして輸出量を増やすと、来年の1人当たりの牛肉供給量は今年の57.7ポンドから54.3ポンドへと大幅に減少し、過去最低に近い数字になるという。USDAと一部アナリストは、来年の牛肉生産量は今年の264億2,000万ポンドから251億3,500万ポンドに減少すると推定している。しかし生産量は256億ポンド前後、1人当たりの牛肉供給量は55ポンド以上あると予想するアナリストもいて、供給量はUSDAの予測ほど不足しない可能性もある。
1人当たりの供給量の大幅な減少は、米国の牛肉流通に膨大な影響があるとアナリストは指摘する。エンドユーザー、特にファーストフード業は不足する牛肉確保の競争が激化し、全種類のビーフ価格が上昇するだろう。牛肉卸売価格は既に前年同期比で大きく値上がりしている。先々週のカットアウト総合週間価格は179.10ドルで、前年より19.2%上昇した。来年同期に同じように値上がりすると、カットアウト価格は213.49ドルに達することになる。
※2011年10月17日 Cattle Buyers Weekly
|
● |
米国の牛肉需要落ち着く |
|
チョイスとセレクトの卸売価格の開きは、月間平均で2月の0.87ドルから6月に5.50ドルのピークに達した後、8月には4.99ドルに縮まった(USDAデータ)。
9月上旬から週ベースで価格の開きは大きく広がり、10月1週には14ドルを超えた(Weekly National Carlot Report)。飼養頭数1,000頭以上のフィードロットの出荷状況から、穀物値上がりの影響もあって肥育牛の重量を増やせないことも原因となっている。
しかしフィードロットでは、干ばつによる軽量級の牛を含む大量の牛が導入されているにもかかわらず、新旧の牛の入れ替えは順調だ。飼養期間の短縮や早期出荷(飼育/仕上げ期間の初期に出荷)でチョイス級が減りセレクトが増えて、7月以来チョイス-セレクトの開きに影響している。
また最近数ヵ月は飲食店の牛肉需要が減退し、高額カットの需要が低下している。しかし、雌牛が増えると供給全体の中に占める高額カットの比率は下がる。次いで上位カットの相対的価値が上がると下位グレードの肉の価値が下がる。その結果、セレクトと挽肉が値下がりしてチョイスーセレクトの開きが広がった。
※2011年10月18日 MeatPoultry.com
|
● |
米国産食肉輸出推移2006-2011年 |
|
【豚肉】
8月度総輸出量(枝肉ベース)は4億3,340万ポンドを記録し、前年比で1億3,150万ポンド(43.6%)増加して、3月の4億9,000万ポンドに次ぐ年間で2番目に多い月間輸出量となった。以下いずれも前年比で、中国向けはほぼ4倍の6,550万ポンド、対香港は82%増の1,330万ポンド、同じく重要市場の日本向けは35.2%増の1億2,320万ポンドと、これら市場の高い伸びが後押しした。この3ヵ国で8月度総輸出量増加分の3分の2以上を占めた。
【牛肉】
8月度総輸出量(枝肉ベース)は2億6,200万ポンドを記録し、前年比で6,200万ポンド(28.5%)増加してBSE前の水準に戻った。豚肉と同様に、アジアおよびカナダ向け輸出の安定した成長が増加を推進した。特にカナダは、8月度の輸出量が前年比52.7%増の5,350万ポンドに達して輸出市場のトップに立ち、8月度総輸出量増加分のほぼ3分の1を占めた。メキシコ向けは前年比6.2%増の4,770万ポンド、日本向けは11.2%増の4,140万ポンド、ロシア向けも200%増の1,930万ポンドで引き続き好調だった。ベトナムや香港などその他市場向けは、前年比54%増の5,930万ポンドを記録した。
※2011年10月24日 NPB Profit Maximizer
|