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NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛価格の急落続く
生体牛、秋まで十分な供給量
肉牛肥育業者のマージン悪化へ
牛肉小売価格が過去最高値を記録
業界ニュース WTO、米国原産地表示に不利な裁定
市場アクセス制限で米国産牛肉10億ドルが棚上げ
トウモロコシ植え付けの遅れ続く
全米天候/作柄状況 各地の干ばつ監視・天気予報
米国食肉市場ニュース 牛肉(牛肉市況 5/23〜5/27)
豚肉(豚肉市況 5/23〜5/27)
マーケットデータ 先物取引価格(5月27日現在)
市況ニュース
 
生体牛価格の急落続く
 

サザン・プレーンズの現金取引価格は、2週連続の4ドル安で100ポンド当たり104ドルに値下がりした。過去最高値を記録した4月1週から7週間で19ドル(15%)暴落して、記録的な価格回復が始まる前の1月最終週のレベルに戻った。アナリストは冬・春に高値だったものが夏には安値に下落するのは例年通りだと述べている。

5月最終週に価格が安定して、6月中旬に上昇する可能性はある。しかし、7月に市場が夏場の低迷期に入ると、再び下降傾向に動くかもしれない。牛肉需要が6月中堅調で、パッカーが市場の全必要量の牛をと畜できなければ、生体牛価格は100ドル以下に押し戻されるかも知れない。

※2011年5月30日 Cattle Buyers Weekly
 
生体牛、秋まで十分な供給量
 

4月、5月のフィードロット導入頭数は予想を上回り、特に4月は軽量級と重量級の両方が導入され、全体で前年比9.9%増加した。干ばつとテキサスの火災の影響で、サザン・プレーンズ(オクラホマ南部〜テキサス北部)の多数の牛がフィードロットに送られたことがわかる。各地の導入頭数はいずれも前年比でテキサスが28%増の51万頭、カンザスは21%増の38万頭、オクラホマは33%増の7万6,000頭だった。

4月の出荷頭数は、暦の関係でと畜日数が1日少なかったため、前年比2.7%減だった。一方、5月のフィードロット内頭数は前年比7.4%増の1,120万頭で2007年以来最多となり、集計対象の各州別でも2%から、多いところでは17%増を記録した。

アナリストは「夏後半にバックログが出ないよう出荷を早める必要がある」と指摘する。初期供給分は昨年より増え続け、9月1日までには前年比21%増に達して2006年の過去最高値を上回るだろう。今後は、供給増の影響を最小限に抑えるのに必要な生産レベルを達成することが課題になる。

※2011年5月30日 Cattle Buyers Weekly
 
肉牛肥育業者のマージン悪化へ
 

肉牛肥育業者のマージンは、昨年の大半と今年に入り4ヵ月はプラスで推移した。2008〜2009年期は多大な損失を出したので、自己資本の再建にプラスマージンは必要だった。しかし、特に肉牛や飼料に価格保護をかけていない肥育業者のマージンは、まもなく大きくマイナスに転じようとしている。2年前と比べ2倍の数の肉牛がヘッジされているが、それでもまだ多数の牛が保護されていないという。ここ数週間の生体牛現金取引価格と先物価格の下落で、最近導入した牛の予想損失額は1頭当たり100ドルを超えるとアナリストは述べている。
5月3週、悪天候の影響でトウモロコシ先物相場が急騰し、大きな損失が出る可能性は更に高まっている。5月18日には7月分の先物価格(1ブッシェル当たり)は前週の6.82ドルから7.496ドルに値上がりした。米国農務省(USDA)は作付面積を9,220万エーカーと予測しているが、200万エーカーかそれ以上縮小される可能性があるとアナリストは述べている。

5月から10月に売買されると畜用去勢雄牛の利益は、トウモロコシと肥育牛の高値の影響で2010年実績を下回るだろう。今後数ヵ月、飼料コストを固定していない農家の利益は特に大きな打撃を受けるだろう。サザン・プレーンズの標準的なフィードロットで飼育された去勢雄牛の1〜4月期の売却益は、昨年の1頭当たり35ドルから20ドルに下がっている。

※2011年5月23日 Cattle Buyers Weekly
 
牛肉小売価格が過去最高値を記録
 

鶏肉生産量は国内外の需要と比較して多すぎる状態が続いて、年初来の生産量は前年比2.2%増加している。卸売鶏肉価格、特に胸肉とウイングは前年同期比で大幅に下回っている。加工業者は牛肉・豚肉価格が鶏肉価格を押し上げることを期待しているが、今のところそうはなっていない。小売りレベルでは、牛肉が4月に前年比10.4%増で過去最高値となる4.45ドル(1ポンド当たり)を記録した。

鶏肉が価格的に有利なのにも関わらず売り上げが伸びない理由の一つは、アメリカ人は牛肉好きだということ。高くても小売店でステーキ肉を購入して家で食べるので、レストラン売上高は低迷している。二つ目は「鶏肉に飽きた」からだとアナリストは分析している。

※2011年5月23日 Cattle Buyers Weekly
業界ニュース
 
WTO、米国原産地表示に不利な裁定
 

世界貿易機構(WTO)は5月20日付の機密中間報告書で、「米国の原産地表示(COOL)は国際貿易ルールに反する」というカナダ・メキシコの申し入れを支持した。7月下旬予定の最終報告でCOOL反対の裁定が出た場合は、米国はCOOL支持者の強い要請があり上訴するとみられる。訴訟は長引き米国はCOOL条項の修正は一切拒否すると思われるので、今回のWTOの判断もカナダとメキシコにとって、結局は空しい勝利に終わる恐れもある。

WTOは「COOLによりカナダ・メキシコ産の肉牛と豚肉が不利に扱われ、米国が表明した消費者に原産地情報を提供するという目的を達成していない」と判定した。カナダとメキシコは当初からCOOLの全面反対ではなく、対象品目を限定した提案をしてきた。今後は、COOLを必須ではなく自主的運用で米国の同意を得るよう取り組む。カナダの業界関係者は「COOLは家畜を分別するコストが1頭当たり25〜40ドル(当初は90ドル)かかることがネックになっている」と述べている。

かつてEUがホルモンを投与された米国・カナダ産牛由来の牛肉を禁輸し、WTOは終始原告側を支持したがEUが解禁に応じなかったため、米国に輸入される広範囲のEU製品に1億ドルの付加価値税の課税を認めたことがある。結局EUは2009年に4年間に渡る新たな無税枠を米国に与えたが、ホルモン投与牛由来肉の禁輸は解除しなかった。

※2011年5月30日 Cattle Buyers Weekly
市場アクセス制限で米国産牛肉10億ドルが棚上げ
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)のセング会長は、5月末に実施したメディアブリーフィングで「米国産牛肉の輸出は、日本市場には月齢制限があり、中国市場はまったく閉ざされているため、年間で10億ドル分が宙に浮いている。6月末に月齢制限撤廃に向けた日米協議が再開されることを期待する。また3つの重要なFTA(コロンビア、パナマ、韓国)が8月の休会前に米議会で批准されるよう期待する」と述べている。

アナリスト達は月齢制限撤廃の重要性は極めて重要と指摘する。米国でBSE感染牛が発見された2003年、米国産牛肉の対日輸出量は37万5,993トン、輸出額は13億9,400万ドルに達して日本は最大市場だった。一方で、昨年の実績は各々12万4,561トン、6億3,950万ドルだった。USMEFは今年の輸出量を14万トンと予測している。

※2011年5月24日 USMEFニュース
トウモロコシ植え付けの遅れ続く
 

USDAによると、5月22日までのトウモロコシ植え付け率は79%で、昨年の92%、5年平均の87%を下回っている。出芽率は45%で昨年の69%、5年平均の59%より低くかった。USDA週間穀物生育進捗率レポートは、2010年収穫高の92%を占める主要18州の進捗状況を調査している。

※2011年5月24日 Meatingplace.com
全米天候/作柄状況
 
各地の干ばつ監視・天気予報
 

5月26日から30日にかけては、寒冷前線が本土中部から次第に東に進み、週後半には東海岸に到達して本土の東3分の1に夕立や激しい雷雨をもたらすだろう。一方で太平洋からの一連の暴風域が北西部を襲い、その後プレーンズ北部と中西部に進んで本土の北3分の1に小雨か適度の降雨をもたらす。前線の通過で南東部は小雨が降るが、それ以外の南部州は雨はほとんど降らないだろう。フロリダ南部は週末、にわか雨が多くなるだろう。プレーンズ南部と本土南部、さらに北方に向かい中西部、東部の気温は平年を上回るが、西部は気温が低い天候が続く。5月31日までに南東部の一部では気温が華氏100度近くになる可能性がある。

気象予報センターによると、その後5月31日〜6月4日は、ロッキー山脈中部・南部からプレーンズ南部・中部、東方に向かって南東部と大西洋岸州の大半の降雨量は平年を下回る確率が高い。一方、北西部と中西部北方の降雨量は平年を上回るだろう。極西部地方の気温は平年を下回るが本土の東半分は季節外れの暖かい天気になるだろう。

※2011年5月27日 Market Perspectives
米国食肉市場ニュース  
牛肉

牛肉市況
(5月23日〜27日)

週間と畜頭数 : 67.2万頭(前年比0.6%減)
肥育牛の取引価格(100ポンド[約45kg]当たり):
  主要5市場では平均105.11ドル(前週比3.26ドル安)、枝肉価格は平均170.56ドル(同6.19ドル安)。
牛肉価格(100ポンド[約45kg]当たり):
  歩留まり等級3(YG3)のチョイスは177.30ドル(前週比2.22ドル高)。Y2〜3のセレクトは172.16ドル(同0.70ドル高)。
豚肉

豚肉市況
(5月23日〜27日)

週間と畜頭数 : 203.1万頭(前年比0.5%増)
100ポンド(約45kg)当たりのカットアウト価格は、前週比6.86ドル安の89.75ドルだった。豚肉製品ではハム、ロイン、バット、ベリーはいずれも値下がりした。
※2011年5月27日 Hog Outlook(Ron Plain)
マーケットデータ
 
先物取引価格(5月27日現在)
 
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