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TRADER'S Be & Po
NEWS CONTENTS
市況ニュース パッカー、土曜処理頭数を削減
今年は挽肉が高値誘導
業界ニュース トウモロコシ、生産量・在庫減少で値上がりの見通し
2011年も牛肉は供給不足
牛総頭数は2011年も減少
ロシア、米国産冷凍牛肉割当をほぼ倍増
家畜への抗生物質使用をめぐる論争
米国食肉市場ニュース 牛肉(牛肉市況 1/10〜1/14)
豚肉(豚肉市況 1/10〜1/14)
全米天候/作柄状況 各地の干ばつ監視・天気予報
マーケットデータ 先物取引価格(1月14日現在)
牛肉・牛バラエティミート対日輸出実績
豚肉・豚バラエティミート対日輸出実績
市況ニュース
 
パッカー、土曜処理頭数を削減
 

肉牛頭数の減少が数年続いているため、今年、パッカーは従来のような週5.5〜6日操業はできず、やむなく月曜から金曜のみをフル操業とし、土曜は市場の状況によって操業を調整することになりそうだ。

これは、今後北米で牛総頭数の減少が続いても、処理工場の閉鎖には至らないということだ。処理加工業界は需要をやや上回る過剰生産能力があるが、肉牛肥育業界の過剰生産能力30%には及ばない。従来、土曜処理頭数は平均4万頭かそれ以上だったが、2009年には不況の影響で牛肉の国内需要・輸出が低迷して大幅に減少し、祝日週を除いて93万2,623頭(平均で2万274頭)、祝日週を含むと125万1,888頭(2万3,620頭)だった。

※2011年1月17日 Cattle Buyers Weekly
 
今年は挽肉が高値誘導
 

様々な形で販売される挽肉は、小売り・フードサービス業の牛肉総供給量の約50%を占めることから、今年の牛肉業界で高値の誘導役を果たすことになりそうだ。製造業で使用する牛肉供給量は昨年より更に不足が予想され、小売りとフードサービスのバイヤー間の競争が激化するとアナリストは見ている。

今年全体の母牛処理頭数が2010年より少ないと想定すると、挽肉用に回されるフェッドビーフ・プライマルカット(チャック、ラウンド、サーロイン)が増加する。この3つのカットの挽肉は、既に2010年挽肉総売上高に占める割合で過去最高を記録している。もう一つの要素は、昨年急減したオーストラリアの対米輸出が今年回復するかだ。壊滅的な洪水でクイーンズランドからの輸出が一時全面ストップしたが、報告によると輸出は2〜3週間で回復する可能性があるという。

アナリストは「不足するのは挽肉なので、挽肉が牛肉市場の推進役になる」と見ている。

※2011年1月17日 Cattle Buyers Weekly
業界ニュース
 
トウモロコシ、生産量・在庫減少で値上がりの見通し
 

米国農務省(USDA)は、トウモロコシと大豆の生産量・在庫予測を下方修正し、価格予測を上方修正した。そのため関係企業にとって、飼料費高騰に対する防衛策の重要性が増している。

USDA世界農産物需給月次報告書の推計値はアナリストの予測値を下回り、それを受けてシカゴ商品取引所のトウモロコシ・大豆先物相場が上昇した。USDAはトウモロコシ予測生産量を9,300万ブッシェル、予測飼料使用量を1億ブッシェル減らす一方、予想エタノール使用分を1億ブッシェル増やした。推計期末在庫は8,700万ブッシェル下げて7億4,500万ブッシェルとなり、在庫率(キャリ−オーバー÷使用量×100)は1995〜1996年度以来最低のわずか5.5%に止まった。また、9月決算期平均トウモロコシ価格を、4.90ドル〜5.70ドルのレンジ下限・上限で1ブッシェル当たり10セント上げた。

※2011年1月12日 Meatingplace.com
 
2011年も牛肉は供給不足
 

今年の推計牛肉供給量は1人当たり58.1ポンドで、1952年以来最も少ない。というのも、国内生産量が前年比で2.5%も減少する一方で、輸出入は2010年レベルに近いためだ。供給量の数字は人口増加も反映している。フェッドビーフ供給量は第3四半期までは前年より若干多いが、第4四半期に急減する恐れがある。製造業の牛肉供給量は通年で2010年よりさらに不足しそうだ。

2011年度予想牛肉生産量は、257億6,200万ポンド/約1,168万5,600トン(USDA最新予測)から260億ポンド/約1,179万3,600トンまで様々だ。USDA推計は2010年比で2.5%減、高めの予想値では1%減になる。アナリストは四半期別予測で、第4四半期に5〜6%の最大の減少があると見ている。

母牛処理頭数がアナリスト予測と同程度減少すると、国産赤身肉で最大の減少が予想される。オーストラリアの洪水被害で第1四半期の牛肉輸出に影響が出ると、米国の輸入牛肉供給量も昨年レベルに止まるだろう。主にオーストラリアドル高が原因で、2010年度の対米オーストラリア産牛肉輸出は前年比で26%減少し、2011年も減少傾向が続く見通しだ。

USDAは今年の輸出量は横ばいの23億ポンド/約104万3,300トン、輸入は24億4,500万ポンド/約110万9,000トン(2010年23億3,100万ポンド/約105万7,300トン)と予測している。民間のアナリストは輸出入ともUSDAより高い予測値を出して、米国は牛肉の純輸出国であると指摘している。そうなると可能な1人当たり供給量は、USDA推計値よりさらに低くなる。

※2011年1月17日 Cattle Buyers Weekly
 
牛総頭数は2011年も減少
 

景気好転で素牛農家の頭数拡大という後押しがあっても、米国の牛総頭数減少は続くだろう。しかし生産者が売らずに保持した雌牛頭数の増減は、秋まで待たないと分からない。2006年以来毎年、牛総頭数の減少が続いているため、肥育牛供給量は一年中不足する見通しだ。今秋に保持する雌牛頭数が増えると、肥育牛供給量はさらに下がる。
「昨秋生まれた子牛頭数で3年ぶりに利益が出たので、生産者は頭数拡大には慎重だ。今年は雌牛保持頭数が多少増えると期待されるが、秋までは増加しない。今年1月1日現在の推計牛総頭数は9,195万頭、2012年1月1日時点ではさらに若干減少する」とアナリストは予想している。

※2011年1月10日 Cattle Buyers Weekly
 
ロシア、米国産冷凍牛肉割当をほぼ倍増
 

ロシア経済発展省は2011年度初回分の関税割当(TRQ)の配分を発表し、米国産冷凍牛肉割当はこれまでの2万1,700トンから4万1,700トンに急増した。米国が増えた分、他国の割当が減少している。(American Meat Instituteニュースリリース)

チルドビーフ、ポーク、ポークトリミング割当の変更はない。残りの割当は4月15日に配分される。

※2011年1月6日 Meatingplace.com
 
家畜への抗生物質使用をめぐる論争
 

この問題については、これまで賛否両論があり、貿易の軋轢を呼ぶ一方で、「自然」・「オーガニック」と表示された食肉製品市場の活性化につながった。ここにきてようやく、米国食品医薬品局(FDA)が最終的に規則をまとめる模様だ。ある推計によると、米国で販売される抗生物質の70%が家畜に使用され、その大半が投与量以下で成長を促進するものだ。

抗生物質耐性菌に起因するヒトの疾病が、牧場で少量使用された抗生物質に由来するという決定的証拠はとぼしい。また抗生物質が家畜に広く使用されているにもかかわらず、なぜ体重増や飼料効率アップにつながるかは解明されていない。

科学者の最大の懸念は、食肉に抗生物質が残留する可能性ではなく、少量でも常時家畜に成長促進の抗生物質を使用すると、それらの物質が水や土壌に取り込まれて驚くべき速度で移動することだ。細菌は急速に増殖するだけでなく、多様な種類の耐性を他に移すことが研究で分かっている。

2008年発行のPew調査報告書によると「抗生物質耐性は治療を困難にし、病気の長期化・深刻化や、時には死を招く。CDC(疾病対策センター)によると、米国では毎年、9万9,000人が院内感染疾病で死亡している。1998年の米医学研究所推計では、抗生物質耐性が原因で、少なくとも年間40〜50億ドルの特別医療費が発生している。最近になって抗生物質の慎重な使用を呼びかける団体が推計した数字は、166〜260億ドルに増えている」。

早くも1970年に、英国の医師達が環境に大量の抗生物質を取り込むことの悪影響を懸念している。その後、1984年には米国で抗生物質使用に反論した「モダンミート」(現代の食肉)という本が出版され、1906年出版の「ザ・ジャングル」以来最も意義のある文学的批判となった。

その後も抗生物質使用は科学、政治、一般人の世界で注目されたが、1994年のO-157:H7(腸管出血性大腸菌)発生で関心が薄れた。EUは1998年に、科学論文による警鐘の増加も加わって、成長促進目的の家畜への抗生物質使用を禁止した。

【安全性、コスト、保健】

畜産団体は、「安全に使用すれば抗生物質で家畜の保健、飼料効率が向上し、食肉を安価で提供できる。規制は透明性のある科学的リスク分析に基づくべき」と表明している。この問題の論争はここ数年静かにくすぶっていたが、Pew報告書の鋭い批判も引き金となって再燃している。報告書は「年間で2,500万ポンドを超える抗生物質が人工的に家畜の成長を早め、牧場の不衛生な飼育環境の埋め合わせに使われている。獣医の監督なしの大量投与は、ヒトの健康に不可逆の深刻な影響を与える可能性がある」と述べている。

【賛否両論】

FDAは昨年、民主党議員が提出した法案支持を表明している。法案は7種類の抗生物質の家畜への使用を禁止し、農場・牧場での抗生物質使用にあたり獣医の監督を義務づけている。これに対し、畜産団体側は反対、医療保健団体側は賛成を表明している。
FDAのケネディ長官はニューヨークタイムズの論説で「デンマークが家畜への抗生物質使用を禁止した1990年台後半以降の状況を見ると、世界保健機構の調べで、デンマークでは耐性菌保菌の家畜が大幅に減少した。一部家畜に体重減、感染症も見られたが、規制によるメリットはこうした代償を上回った」と強く意見を述べている。

※2010年 IMSニュースレター12月号
米国食肉市場ニュース  
牛肉

牛肉市況
(1月10日〜14日)

週間と畜頭数 : 62.8万頭(前年比4.3%減)
肥育牛の取引価格(100ポンド[約45kg]当たり):
  主要5市場では平均107.74ドル(前週比2.29ドル高)、枝肉価格は平均170.05ドル(同1.92ドル高)。
牛肉価格(100ポンド[約45kg]当たり):
  歩留まり等級3(YG3)のチョイスは169.19ドル(前週比3.32ドル高)。Y2〜3のセレクトは166.02ドル(同5.88ドル高)。
豚肉

豚肉市況
(1月10日〜14日)

週間と畜頭数 : 213.5万頭(前年比1.8%減)
100ポンド(約45kg)当たりのカットアウト価格は、前週比5.65ドル高の83.79ドルだった。豚肉製品ではハム、ロイン、ボストン・バット、ベリーはいずれも値上がりした。
※2011年1月14日 Hog Outlook(Ron Plain)
全米天候/作柄状況
 
各地の干ばつ監視・天気予報
 

1月12〜16日にかけて、米国本土東半分の気温は例年を大きく下回り、中西部北方では平年より6〜9度低くなる。西部の気温は例年を上回り、コロラドからワシントン州にかけては平年より6〜9度高くなる。五大湖からオハイオ川渓谷、メキシコ湾沿岸地域に至る広範囲で降雨があり、五大湖とアーカンソー、ルイジアナ、テキサス、オクラホマが交わる地域で最も降雨量が多くなる。太平洋岸北西部では強い大気が内陸に向かい、ワシントンとオレゴン、それにアイダホとモンタナの北部に豪雨をもたらすだろう。

気象予報センターによると、1月17〜21日にかけて米国本土東半分は広い範囲にわたって冷たい空気に包まれ、メキシコ湾沿岸までの地域全体が平年を下回る気温になる。南西部砂漠地域とアラスカ沿岸は、気温が平年を上回る可能性が最も高い。南東部は平年を上回る降雨が予想され、テキサスから南カリフォルニアに至る南部は、降雨量が例年を下回る可能性が最も高い。

※2011年1月14日 Market Perspectives
マーケットデータ
 
先物取引価格(1月14日現在)
 
 
牛肉・牛バラエティミート対日輸出実績
 
 
豚肉・豚バラエティミート対日輸出実績
 
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