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TRADER'S Be & Po
NEWS CONTENTS
市況ニュース 新年は肉牛増加
生体牛価格、豚・鶏肉の重圧で下落
トウモロコシ収穫高の37%はエタノール生産用
USDA、トウモロコシ生産高予想を下方修正
業界ニュース 下半期の米国産牛肉輸出、BSE前のレベルに近づく
クローニング最新情報
トレンドニュース 2011年のコンシューマ製品トレンド
全米天候/作柄状況 各地の干ばつ監視・天気予報
米国食肉市場ニュース 牛肉(牛肉市況 11/1〜11/5)
豚肉(豚肉市況 11/1〜11/5)
マーケットデータ 先物取引価格(11月5日現在)
市況ニュース
 
新年は肉牛増加
 

来年1月は昨年より多い出荷可能牛頭数でスタートし、価格は今年より需要動向への依存度が増す見通しだ。1月1日の先行供給分(肥育期間120日以上)は前年比6%増と予測される。エコノミストは「単に供給量の多少を見るのでなく、10月から1月の変動幅が2007年以来最大で、対照的にその3年間の利益が少ないことに注目すべきである」と述べている。また昨年のこの時期、コーンベルトは既に天候不順で枝肉重量が急減していた。

エコノミストはまた、枝肉重量が11月中旬までには前年を上回り、供給量のレベルと供給の構成は昨年と大きく異なるという。そのため価格も悪天候が原因で上昇した昨年とは異なるだろう。今は5〜6月にフィードロットに導入した多数の肉牛をさばくために、業界が積極的に出荷を続けることが急務だと指摘している。

※2010年11月1日 Cattle Buyers Weekly
 
生体牛価格、豚・鶏肉の重圧で下落
 

生体牛価格は、100ポンド当たり100ドルを切った後も下落を続けている。11月1週は前週比2〜3ドル安の97〜98ドルで取引された。しかし低価格にもかかわらず、利益性、現金取引が先物に比べ有利な点、出荷可能牛の増加を理由に、肥育業者は進んで取引をしている。

季節的な生体牛・ボックスビーフ価格の低迷と処理頭数の減少は、この先最も重要な市場要因だとアナリストは述べている。牛肉価格が安定しないとパッカーは更に処理頭数を抑え、それが出荷可能牛の増加と枝肉重量低下の時期と重なる可能性がある。

一方で、季節的に豚肉と鶏肉が増加して牛肉にしわ寄せする状態が続いている。成豚処理頭数は予想より多く、豚枝肉重量は10月下旬に過去最高に達し、豚肉生産量は昨年を上回っている。

鶏肉卸売価格は下がっており、大半の加工業者が増産に回っているようだ。例年この時期は、感謝祭とクリスマス用のターキーとハムが中心で牛肉は苦戦する。11月1週の現金取引市場の牛肉売上は少なかった。

牛の出荷も増えるため、生体牛価格は2週目も低迷が予想される。生産者は、積極的な販売姿勢を続けることが必要だ。

※2010年11月8日 Cattle Buyers Weekly
 
トウモロコシ収穫高の37%はエタノール生産用
 

【エタノール転用の拡大続く】

エタノール業界は2010〜2011年度のトウモロコシ生産量の37%(47億ブッシェル)を消費する見通しだ。昨年は35%、10年前はわずか6%だった。5年前に政府が通常燃料にバイオ燃料を使用することを義務づけたことがきっかけで使用比率の急激な増加が始まった。業界はエタノールへの転用は輸入石油への依存を軽減し、飼料等の用途減少はDDG(乾燥蒸留カス)に形を変えて還元されていると弁明している。しかし畜産アナリストは、家畜飼料に使われるDDGは一部で、配合率が35%を超えると飼料の栄養や効果に影響が出ると指摘する。

【転用拡大の影響】

エタノール生産の増加で、トウモロコシ全体における飼料および工業仕向けの割合が急減している。2000〜2001年の飼料仕向けは58%、2年後は最高の62%を占めたが、その後減少して2010〜2011年度は42%の予想だ。エタノール用とはまだ5%の開きがあるが、今後はそれも縮まるとアナリストは見ている。ちなみに2006〜2007年度は飼料は53%、エタノールはわずか20%だった。

トウモロコシ生産者はこれに対応して収穫高を増やしてきたが、それでも2005年以来トウモロコシ価格は大幅に値上がりしている。米国農務省(USDA)が、10月に発表した収穫高予想126億6,400万ブッシェルは、9月発表の予測値を4%下回り、今年も需要が供給を上回る模様だ。

【肉牛はDDGの38%を消費】

エタノール業界は農業との連携を強調し、再生可能燃料協会(RFA)は、エタノールは農家が生産する穀物の新たな市場を提供し、効率と収穫量を高める「永続的なパートナーシップ」と呼んでいる。2009年度にはバイオ精製所で38億ブッシェルのトウモロコシが加工され、エタノール106億ガロンと「高価値の飼料、蒸留穀物、トウモロコシグルテン飼料/ミール」3,040万トンが生産された。後者は国内のフィードロットで牛に与える穀物の総量に匹敵すると協会は説明している。しかし、肉牛肥育で消費されるDDGは全量の38%だ。また近年はDDGの輸出も急増して、2010〜2011年度は過去最多の900万トンに達する見込みだ。

【DDGはトウモロコシ1ブッシェルの43%に相当】

DDGはトウモロコシより20〜40%安価でエネルギーは30%多く、家畜生産者にとっては重要な飼料源になる。しかし専門家は、DDGはトウモロコシ1ブッシェルの価値の43%に過ぎないと言う。その上エタノール生産はコーンベルト6州に集中して米国全体の68%を占め、DDGを求めて牛が集まっている。特にアイオワではフィードロット内肉牛頭数が前年比で10〜15%増加している。反対にカンザス、テキサスはそれぞれ収容可能頭数の3.7%と2.1%に止まっている。

DDGの難点は、水分を含んでいるため、在庫管理に注意する必要があることだ。DDGには通常の飼料より多いプロテインとリンが含まれているので、家畜の糞尿処理の問題もある。運搬する飼料の量が増えれば運送料も増える。DDGは硫黄が多く、この点でも注意が必要だ。

※2010年11月8日 Cattle Buyers Weekly
 
USDA、トウモロコシ生産高予想を下方修正
 

USDAは10月発表の生産高予想を1%下げ、昨年度の過去最高生産量から4%少ない125億ブッシェルとした。トウモロコシ予想平均価格は20セント上がり、9月1日スタートの新年度は1ブッシェル4.80から5.56ドルの範囲に上昇した。

期末在庫予想は8億2,700万ブッシェルに引き下げた。USDA発表後、シカゴ証券取引所のトウモロコシ先物相場の2011年5月引き渡し分は、1ブッシェル6ドルを超えた。

※2010年11月9日 Meatingplace.com
業界ニュース
 
下半期の米国産牛肉輸出、BSE前のレベルに近づく
 

USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」10月号によると、今年第3四半期と第4四半期の牛肉輸出量は、それぞれ6億1,500万ポンドと6億500万ポンドに達する見込みで、2003年同期の6億8,000万ポンドと5億7,800万ポンドに近づいている。

2004年以来、ドル安の下支えで輸出は前年比増が続いてきたが、来年は飼料の高値が原因で供給不足となり、第1四半期は5億1,500万ポンドに下がり、それ以降は今年の四半期実績を2〜9%下回ると予測されている。複数のアジア市場は堅調を維持する見通しだ。

肉牛頭数は歴史的な低水準で牛肉の高値を助けている。フィードロット内頭数は増えているが、飼料価格の高騰で横ばいになり、来年初頭には前年を下回るだろう。

飼料の値上がりは豚肉業界にも影響を与えているが、USDA「世界農産物需給予測」10月号でトウモロコシ、配合率48%大豆ミール、成豚の各価格をみると、2010年第4四半期と2011年には成豚生産者の黒字が予測されている。

今年1〜8月の豚肉輸出は前年同期比で5%近く増加した。増加分はメキシコとカナダが中心でアジア向けは比較的低調だった。

※2010年11月1日 FBNews Vol.89
 
クローニング最新情報
 

EFSA(欧州食品安全機関)は、クローン動物に関する最新の調査結果、科学論文、専門家による検討等を踏まえて、クローニングに関してこれまでに出された結論と勧告を正式に発表した。

  • クローン動物は死亡率が高く、発達異常が多い。
  • クローン動物とその子孫の肉・乳と、通常の繁殖で生まれた動物のそれらとの間に違いは認められない。
  • 牛・豚以外の動物種のクローニングに関するデータはまだ限られているので、今のところリスク評価はこの2種に限定される。

発表では、食品生産を目的とする家畜クローニングの安全性や、クローン動物とその子孫の健康状態・動物保護、クローニングの効率に関する最新情報が紹介されている。

※2010年5月 Fleischwirtschaft International
トレンドニュース
 
2011年のコンシューマ製品トレンド
 

市場調査会社ミンテルは、2011年の商品開発に影響を与える12のトレンドを確認した。以下はそのうちの6つの傾向:

  • 三大成分の減少 → 塩、砂糖、ブドウ糖コーンシロップ。
  • 「ナチュラル」の再定義 → 曖昧表現に規制機関の介入。
  • アマチュアのプロ化 → 例)シェフも認めるレストランの味。
  • 環境破壊なき資源利用の基本重視 → 独自性のあるパッケージ削減を更に重視し、環境責任を推進する。
  • 製品カテゴリーの曖昧化 → 消費者はカテゴリーにこだわらず、自分のニーズを満たす製品を自由に使用する。(例:スナックを食事代わりにする)
  • ニューレトロ → ブランドの活性化。高まる懐古トレンドを利用して旧製品や旧広告を復活させる。
※2010年11月4日 Meatingplace.com
全米天候/作柄状況
 
各地の干ばつ監視・天気予報
 

11月4日〜8日の気温は、西部全域では平年を3〜12度上回り、ミシシッピ川渓谷東側の地域は3〜9度低くなる。西部地域の大半(太平洋岸北西部の海岸平野と内陸を除く) と米本土中央部の気温は高く、乾燥した天気が予想される。ミシシッピ東側と大西洋沿岸地域は(所々で)適度の降雨があるだろう。

CPC(気候予報センター)の発表によると、11月9〜15日は上記5日間とは異なり、気温は西部が平年を下回り、東部と特に中西部と北東部は平年を上回る可能性が高い。降雨量は太平洋岸北西部全域、南西部、メキシコ湾沿岸州全域(テキサスからフロリダ)、大西洋沿岸からジョージア南部、ノース・サウスカロライナの東部で平年を下回るだろう。

※2010年11月5日 Market Perspectives
米国食肉市場ニュース  
牛肉

牛肉市況
(11月1日〜5日)

週間と畜頭数 : 65.1万頭(前年比2.5%増)
肥育牛の取引価格(100ポンド[約45kg]当たり):
  主要5市場では平均97.62ドル(前週比2.34ドル安)、枝肉価格は平均153.93ドル(同2.93ドル安)。
牛肉価格(100ポンド[約45kg]当たり):
  歩留まり等級3(YG3)のチョイスは158.43ドル(前週比2.41ドル安)。Y2〜3のセレクトは150.48ドル(同3.27ドル安)。
豚肉

豚肉市況
(11月1日〜5日)

週間と畜頭数 : 233.8万頭(前年比1.7%増)
100ポンド(約45kg)当たりのカットアウト価格は、前週比3.45ドル高の77.20ドルだった。主にハム卸売価格が100ポンド当たり10ドル値上りしたことによるもので、ロインとベリーは値下がりした。
※2010年11月15日 Hog Outlook(Ron Plain)
マーケットデータ
 
先物取引価格(11月5日現在)
 
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