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成豚・子豚頭数減でも輸出増加 −USDA集計 ー最新のUSDAレポートの要点と、豚肉供給に対する短・中期的な影響ー |
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6月1日現在、成豚・子豚頭数は6,440万頭(前年比3.6%減)、豚肥育頭数は578万8,000頭 (前年比3.0%減)。マージンの改善や成豚の高値を背景に、生産者が頭数を増やし始めたかと注目されたが、まだ十分な動きはない。予想された頭数で、来年の価格への影響は中程度と思われる。
出荷頭数は5,861万2,000頭(前年比3.7%減)。年初の分娩率とカナダ産肥育豚の減少が一因。2つの棒グラフを見ると、2008年のピークと比較して、今年の出荷頭数は大幅に落ち込んでいるが(4.4%減)、輸出頭数は回復しており(2.4%減)、今年後半は2008年に匹敵する輸出量が見込まれている。
米国の豚肉市場にとって、今後も輸出が鍵となる。生産者は来年に向けて増産すると思われるが、現在の輸出ペースが続くと、増産分は国内市場には回らないだろう。しかし輸出動向は「為替市場」「世界の経済成長」「エネルギー問題」「疾病の発生」に左右され、予想が難しい。
3〜5月期の1分娩当たりの子豚頭数は前年比2.1%増で、生産性の向上が続き、分娩率の大幅な低下をある程度相殺している。3〜5月期の分娩率は4.7%下がっているが、生まれた子豚頭数は2.8%減にとどまった。それでも子豚頭数の減少で今年下半期の出荷頭数と第4四半期の処理頭数が抑えられるだろう。こうした数字から、豚肉の増産は少なくとも2011年第2四半期まではないと予想する。
米国農務省(USDA)レポートとは別に、パデュ−大学エコノミスト、クリス・ハート氏は、「今夏、豚肉は供給不足から値上がりし、消費が減退する。景気回復の遅れと高い失業率の影響で、小売り需要は低迷し成豚価格が下がるだろう。成豚価格は当面50ドル後半が続き、9月に入り平年レベルに下がり始める。第3四半期は56〜59ドル、第4四半期は50〜53ドルになる」と見ている。
※2010年6月30日 Meatingplace.com & 2010年7月5日 NPB Newsletter
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