牛肉市況(6月14日〜18日)
豚肉市況(6月14日〜18日)
1月〜4月は導入頭数の前年割れが続いたが、5月は前年を大きく上回った。Cattle On Feed6月号では前年比20〜25%増の数字が予想されるが、これは昨年が極めて少なかったためで、実際は5年平均値より5〜7%多い程度とアナリストは述べている。
注目されるのは頭数よりも重量別内訳で、800ポンド以上の牛が多かった。4月の導入頭数が予想より少なく、牛の体重が大幅に増えたためだ。昨年5月も800ポンド級の導入頭数が一番多かったが、2008年実績より20%少なかった。今年は2008年を上回るかもしれない。
6月1日時点のフィードロット内頭数は、昨年11月以来久し振りに前年を上回ることになる。それでもここ10年で2番目か3番目に低い。今年は6月1日の頭数が5月1日の頭数を上回ったが、それは異例なことだ。
暑さで牛肉消費が落ち込む季節がら、生体牛・ボックスビーフの値下がりが続き、7月下旬には夏場の最安値を記録する可能性がある。6月3週には各地の市場で生体牛が1〜2ドルの安値となり、北部州では枝肉が4〜5ドル値下がりした。カットアウト価格は6月前半3週間に急落した後安定したが、生産量次第では6月5週以降も下落が続いて、7月最終週にはチョイスが144ドルまで下がる可能性もあるとアナリストは予測している。
春先に牛肉卸売価格が極度の高値になった影響で、7月の牛肉販促活動は控えめになるとアナリストは見ている。小売店では父の日に先駆けてミドルミートや挽肉のキャンペーンも実施されたが、いずれも前月や3週前より高値で、ハンバーガーレストランも同様の理由で販促活動は控えめだった。
小売用食肉製品の原産地表示には、昨年3月の実施から12月末までで、米国の牛肉業界で年間最大12億ドル、豚肉業界で2億2,800万ドルが使われている。この追加費用は、牛や豚の生産者からビーフとポークの消費者に至るまで、サプライチェーン全関係者が負担している。(実施コストを調査したInforma Economics社)
上記数字には制度実施が米国牛肉業界に与える影響は含まれていない。MCOOL導入でカナダ産肥育牛の輸入が減り、カナダで肥育する肉牛頭数が増えた。その結果、米国では肥育牛が不足して値上がりし、処理用肉牛の輸入増加で生体牛の値下がりを招いた可能性がある。
カナダでは処理用牛の対米輸出が増えているが、国内の処理頭数も前年や従来のレベルを大きく上回っている。こうした流れは4、5月は問題はなかったが、夏場は米国市場で生体牛が増え、カナダ産処理用牛の輸入増加(前年比)が続くとそうはいかないだろう。一方でカナダ産牛肉の対米輸出は、冬の終わり以降、前年対比で増加が続いている。
欧州議会でも先頃、栄養価表示を含む原産地表示義務制度法案が可決した。今後EU27ヵ国で検討され、順調に進めば3〜5年後に実施される。
ブラジル第2位のパッカー、マルフリッグ・アリメントス(Marfrig Alimentos)は6月15日、米国のキーストーン・フーズを12億6,000万ドルで買収することで合意したと発表した。キーストーン・フーズは、マクドナルドなどの大手レストランチェーンや食品会社にハンバーガーパティを供給し、同時にフードサービス・サプライヤーとしてグローバル展開している。世界13ヵ国2万8,000店に食材を供給しており、2009年度売上高は64億ドルだった。
マルフリッグは南米でビーフ、ポーク、ラムを加工し、ブラジルとヨーロッパではチキンとターキーを加工している。今回の買収で、世界5大陸22ヵ国にある151ヵ所の処理・加工・配送施設と事業所を傘下に収め、年間売上高は73%増の154億ドルとなり、世界上位パッカー3社の仲間入りをする。またマクドナルド、キャンベル、サブウェイ、コナグラフーズ等の主要サプライヤーとなる。
米国農務省(USDA)は6月25日に、国内の成豚・子豚飼育施設の四半期調査(6月1日時点)の結果を発表する。成豚・子豚総頭数は推定で前年比2.3%減の6,520万頭前後になる。今後の供給を左右する飼育頭数は前年比2.7%減の約580万頭、市場流通頭数は2.3%減の5,940万頭と予想される。総頭数は前年を下回っているが、主に豚肉価格の急上昇と豚肉生産者のマージンがプラスという理由で、3月のレベルから浮上すると思われる。ここ2ヵ月は昨年とは逆に、雌豚の処理頭数が急減している。また全体的なマージン回復で雌豚を増やした生産者もいるようだ。頭数はすぐには増加しないが、まもなく発表される6月の頭数は、業界が削減モードから拡大モードに移行していることを示すだろう。
結論:新しい予算年を迎える中、米国の食肉総供給量は着実に増加すると予想している。頭数が増えるが、全体的に食肉価格については楽観視している。輸出市場の拡大、経済成長、人口の増加、進むドル安といった経済的社会環境が、生産量拡大の必要性を示している。米国経済の回復が続き米ドル安が進むのであれば、2011年は食肉価格が上昇するという見通しに自信を持ってよいだろう。
ヨーロッパの最新の研究によると、血中のビタミンB6とメチオニン(アミノ酸の一種)の量が平均より多い人の肺ガン発症率は、平均以下の人の半分未満であることが分かった。ビタミンB6は食肉、魚、ジャガイモ、全粒粉に含まれ、メチオニンは食肉、魚、種、ナッツ、シリアルに多く含まれる。
協力者2,670名の血液を研究開始時に検査し、平均5年間追跡調査した。研究結果は、米医学界で最も権威ある学会誌、「ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション」に掲載された。
6月17〜21日の気温は、米東部の大半からハイ・プレーンズは平年より高くなる。カンザスとオクラホマは平年を6〜9℃を上回り、モンタナでは12℃下回る。米西部は平年より低くなる。米北部と南東沿岸地域には活発な降水パターンが見られる。モンタナ、アイオワ、ウィスコンシン南部とフロリダは雨になるだろう。気象予報センター(CPC)の予報によると、6月22〜26日は米東部で気温が平年を大きく上回り、特にアーカンソーで異常に高くなる。カリフォルニアとオレゴンは平年より涼しくなる。米北部は湿潤パターンが続き、サザン・プレーンズと中央ロッキー山脈にかけては平年より乾燥した天気になる。