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TRADER'S Be & Po NEWS CONTENTS
米国食肉市場ニュース 牛肉(牛肉市況 8/31〜9/4)
豚肉(豚肉市況 8/31〜9/4)
市況ニュース フィードロット導入頭数増加で出荷増に期待
苦戦が予想される9月度生体牛・ボックスビーフ市場
セーフティ関連ニュース 長引く新型インフルエンザの影響・業界の対応
業界ニュース WTO、韓国のカナダ産牛肉禁輸を裁定へ
海外市場動向
若齢牛でも高い等級の新肥育法
全米天候/作柄状況 各地の干ばつ監視・天気予報
マーケットデータ 先物取引価格(9月4日現在)
米国食肉市場ニュース  
牛肉
牛肉市況
(8月31日〜9月4日)
週間と畜頭数 : 63.9 万頭(前年比7.2%増)。 オクラホマシティーにおける去勢牛の体重別100ポンド当たりの価格
肥育牛の取引価格(100ポンド[約45kg]当たり):
  主要5市場では平均82.64ドル(前週比1.79ドル安)。
枝肉価格は平均129.73ドル(同1.94ドル安)。
牛肉価格(100ポンド[約45kg]当たり):
  歩留まり等級3(YG3)のチョイスは142.22ドル(前週比1.80ドル安)。Y2〜3のセレクトは134.20ドル(同1.93ドル安)。
豚肉 豚肉市況
(8月31日〜9月4日)
週間と畜頭数 : 225.6万頭(前年比10.1%増)。
肉豚の現金取引価格 : 前週比で2ドル安から1ドル高で推移。
市況ニュース
フィードロット導入頭数増加で出荷増に期待
 

肉牛肥育業者に活気が戻り、7月度の導入頭数は前年比で12.5%も増加した。直前の5・6月に頭数が大幅に減少したこともあるが、最大の理由は飼料コストの減少、7月の肉牛売上益、導入牛の採算が取れる見込みがあることだ。8月の導入頭数も前年を上回り、この傾向が年末まで続きそうだ。そうなると、2010年第1四半期の出荷頭数が当初の予測より多くなる可能性もある。今のところ先物相場では88〜89ドル前後と予想されている。しかし、先行きは牛肉需要の回復次第で、2010年中頃までは起こらないだろうとアナリストは予測している。

※2009年8月31日 Cattle Buyers Weekly
苦戦が予想される9月度生体牛・ボックスビーフ市場
 

8月は営業マージンが2000年以来最高を記録したパッカーの仕入れが増え、生体牛価格は3週連続で上昇した。9月に入り市場の回復には牛肉需要の上向きが必要だが、例年9月の需要は下降気味になるためそれも期待できない。その上、需要回復の鍵を握る消費者の買い控えも続いており、牛肉消費の増加の兆しは見えていない。9月1週のレーバーデーの連休中、各地で魅力ある販促活動が展開されたが、その結果はまだ出ていない。

ボックスビーフ価格は横ばいから値下がりの予想で、副産物価格は8月の回復後は変化がない。カットアウトは9月1週に1.22ドル値下がりして142.49ドルだった。市場の動向次第で、生体牛現金価格は2〜3ドル下落か84〜85ドルの範囲に留まるとアナリストは見ている。

同じ週のサザン・プレーンズ(オクラホマ南部-テキサス北部)では上記の価格帯が予想された。先物市場は、肉牛の供給が減る10月契約分(終値86.72ドル)で前週の現金価格(85ドル)にプレミアムが付いた。コーンベルトでは出荷が続く過体重の大型牛を売りさばくことが問題になっている。こうした動きは供給過剰が終わる発端になることが多く、9月後半は肉牛頭数減少が予想される。

※2009年8月31日、9月7日 Cattle Buyers Weekly
セーフティ関連ニュース
長引く新型インフルエンザの影響・業界の対応
 

学校では新学期が始まり、第2波の流行が懸念される秋を迎えて、新型インフルエンザ関連の報道が溢れている。主要な保健機関が豚との関連を否定しているが、相変わらず「豚インフルエンザ」と呼ぶ記事が多い。米国市場ではフレッシュポークの卸売価格は前年比で43%低下し、処理用成豚価格も同じく下落して生産者は多大な被害を被っている。

米国食肉輸出連合(USMEF)が中国6都市の消費者1,200名を対象に実施した調査によると、今年前半の新型インフルエンザ発生時、回答者の64%が豚肉を食べるのをやめ、21.2%は今も豚肉を食べると新型インフルエンザに感染すると信じている。中国は世界最大の豚肉消費市場で、一人当たり年間75ポンド(約34kg)の豚肉を食べている。

こうした状況を受けて、米国の豚肉業界は、以下にあげる積極的な対応策の実施を発表している。

  1. 費者・小売業者に豚肉の安全性の理解促進
  2. 米国農務省(USDA)と疾病予防管理センター(CDC)が連携して、新型インフルエンザ発生時の生産者の対応の徹底
  3. パッカー、小売業、フードサービス業、農産メディア、栄養士対象のウエブセミナー実施
  4. 外部講師による研修会
  5. 全国媒体の個別コンタクト

国際獣疫事務局(OIE)は既に7月21日発行の論説で「これまで新型インフルエンザウイルスの広がりに家畜が媒介したという証拠はない。当初から、世界の主要保健機関に豚インフルエンザと呼ぶことは許されないと積極的に警告してきた。誤った呼称のため、少なくとも発生初期段階で、多数の国で成豚・豚肉製品の不当な輸入禁止に繋がった。病名は重大な意味があり、世界各地の消費者行動に強烈なインパクトがあることを留意すべきだ」と述べている。

※2009年9月4日 Meatingplace.com & 2009年8月31日、9月7日 Cattle Buyers Weekly、7月21日付 OIE論説
業界ニュース
WTO、韓国のカナダ産牛肉禁輸を裁定へ
 

世界貿易機関(WTO)は、6年前にカナダで初めてBSE感染牛が発見されて以来韓国が続けているカナダ産牛肉禁輸措置が、国際基準に反するかどうかを審議することに合意した。それまで韓国は年間4,600万ドル相当の牛肉をカナダから輸入し、4番目に大きい輸出市場になっていた。

WTOは今後9ヵ月以内に報告書を発表する予定だ。今回問題になっているのは、リスク管理国と認定された米国からは2006年後半に米国産牛肉の輸入を再開し、カナダも2007年に同認定を受け、大半のビーフカットを制限なしに世界55ヵ国に輸出可能となったが、韓国がまだ禁輸を続けていることだ。そのためカナダは今年4月に、韓国と協議するようWTOに要請していた。

※2009年9月7日 Cattle Buyers Weekly
海外市場動向
 

【ロシア、牛肉輸入枠拡大を検討】

ロシアは来年度の豚肉と鶏肉の輸入割当を削って、その分牛肉輸入を増やす事を検討している。ロシアの国立食肉協会側は、「今月中に今後3ヵ年の最終割当を承認する可能性がある」と述べている。

検討案によると、牛肉割当を10万トン増の55万トン、輸入量上限超過分の関税を30%から50%に引き上げる。割り当て拡大により、各国からの輸入量を増やすことが可能となる。これまでEUは牛肉割当の8割を要求していたが、輸入額が輸出額を上回る純輸入国になったため、枠をフルに利用できなくなっていた。

輸入枠拡大が実現すると、米国からの輸入枠は1万8,500トンから3万トンに増え、残りはブラジル、アルゼンチン、オーストラリア、ウルグアイ、パラグアイ、カナダに割り当てられる。2009年は輸入先全体で7万3,000トンで、ブラジル、アルゼンチン、オーストラリアが上位を占めた。

※2009年9月3日 Meatingplace.com
 

【EU市場は高級ビーフにビジネスチャンス】

EU向けの高級ビーフ免税割当の合意により、米国産牛肉の輸出増加が期待されている。USMEFの専門家は「グレインフェッドビーフ(穀物飼料で飼育された牛の肉)が不足しているEUは、ビッグチャンスがある。割当量は必ずしも多くはないが、市場のハイエンドのニッチ市場が開拓できる。今後3〜5年間に年間7万トンもの牛肉を、他の輸入牛肉の恐らく倍の価格で出荷できる。価格の差別化で地元産牛肉との直接競合はないし、牛肉価格全体の引き上げにもなるので地元生産者へのしわ寄せも少ない」と述べている。

※2009年8月31日 Meatingplace.com
若齢牛でも高い等級の新肥育法
 

米国の家畜品種改良の専門家グループが開発し、特許を取得した3件の肥育方式のうち、2件はホルスタイン牛を対象にしている。生後3日から3ヵ月までは食肉用子牛のように飼育し、その後この特許方式に移行する。15ヵ月齢未満でも98%がチョイス・プライム級に格付けされている。

肉牛の場合は早い時期に離乳する。まだ母乳を与えている生後5ヵ月頃に新方式で肥育し、11〜12ヵ月で重量約1,200ポンドになると処理する。バラエティーミートも最高で見た目も良い。

2方式とも子牛の疾病防止用の薬を混合した注射を2回打つが、ホルモンや抗生物質は使用しない。均質で安全な肉質で、なによりも味の良い牛肉が得られる。日本の平均的なフィードロットに導入すると、飼料の効率と平均日間体重の増加が進み、若齢で出荷できるメリットが期待できる。

この肥育方式に関する連絡先は以下になります。

ラウル・バクスター氏(World Food and Agriculture Business Development)

メールアドレス:rjbworldwide@aol.com

※2009年9月 USMEF
全米天候/作柄状況
各地の干ばつ監視・天気予報
 

9月最初の週末3日間は、太平洋沿岸を見舞ったハリケーンの名残りの湿気がニューメキシコ、コロラド、ユタ、アリゾナに接する地点まで及ぶ北方に広がって、所によりにわか雨を降らせるだろう。その先の東部では、にわか雨と激しい雷雨が次第に大平原諸州から内陸部、ミシシッピー渓谷南部に移り、一方、大西洋岸南部沿い及び近辺は雨が続く。

9月8〜12日にかけては、北東部を除いて全国的に例年並みかそれを上回る降雨量が予測される。太平洋沿岸、テキサス南部、フロリダ半島全域、五大湖地域から北東部の気温は例年を上回る予報が出ている。

※2009年9月4日 Market Perspective
マーケットデータ
先物取引価格(9月4日現在)
  先物取引価格
米国食肉輸出連合会:〒107-0052 東京都港区赤坂1-6-19 KY溜池ビル5F Tel.03-3584-3911 Fax.03-3587-0078 URL http://www.americanmeat.jp