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WTO、韓国のカナダ産牛肉禁輸を裁定へ |
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世界貿易機関(WTO)は、6年前にカナダで初めてBSE感染牛が発見されて以来韓国が続けているカナダ産牛肉禁輸措置が、国際基準に反するかどうかを審議することに合意した。それまで韓国は年間4,600万ドル相当の牛肉をカナダから輸入し、4番目に大きい輸出市場になっていた。
WTOは今後9ヵ月以内に報告書を発表する予定だ。今回問題になっているのは、リスク管理国と認定された米国からは2006年後半に米国産牛肉の輸入を再開し、カナダも2007年に同認定を受け、大半のビーフカットを制限なしに世界55ヵ国に輸出可能となったが、韓国がまだ禁輸を続けていることだ。そのためカナダは今年4月に、韓国と協議するようWTOに要請していた。
※2009年9月7日 Cattle Buyers Weekly
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海外市場動向 |
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【ロシア、牛肉輸入枠拡大を検討】
ロシアは来年度の豚肉と鶏肉の輸入割当を削って、その分牛肉輸入を増やす事を検討している。ロシアの国立食肉協会側は、「今月中に今後3ヵ年の最終割当を承認する可能性がある」と述べている。
検討案によると、牛肉割当を10万トン増の55万トン、輸入量上限超過分の関税を30%から50%に引き上げる。割り当て拡大により、各国からの輸入量を増やすことが可能となる。これまでEUは牛肉割当の8割を要求していたが、輸入額が輸出額を上回る純輸入国になったため、枠をフルに利用できなくなっていた。
輸入枠拡大が実現すると、米国からの輸入枠は1万8,500トンから3万トンに増え、残りはブラジル、アルゼンチン、オーストラリア、ウルグアイ、パラグアイ、カナダに割り当てられる。2009年は輸入先全体で7万3,000トンで、ブラジル、アルゼンチン、オーストラリアが上位を占めた。
※2009年9月3日 Meatingplace.com
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【EU市場は高級ビーフにビジネスチャンス】
EU向けの高級ビーフ免税割当の合意により、米国産牛肉の輸出増加が期待されている。USMEFの専門家は「グレインフェッドビーフ(穀物飼料で飼育された牛の肉)が不足しているEUは、ビッグチャンスがある。割当量は必ずしも多くはないが、市場のハイエンドのニッチ市場が開拓できる。今後3〜5年間に年間7万トンもの牛肉を、他の輸入牛肉の恐らく倍の価格で出荷できる。価格の差別化で地元産牛肉との直接競合はないし、牛肉価格全体の引き上げにもなるので地元生産者へのしわ寄せも少ない」と述べている。
※2009年8月31日 Meatingplace.com
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若齢牛でも高い等級の新肥育法 |
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米国の家畜品種改良の専門家グループが開発し、特許を取得した3件の肥育方式のうち、2件はホルスタイン牛を対象にしている。生後3日から3ヵ月までは食肉用子牛のように飼育し、その後この特許方式に移行する。15ヵ月齢未満でも98%がチョイス・プライム級に格付けされている。
肉牛の場合は早い時期に離乳する。まだ母乳を与えている生後5ヵ月頃に新方式で肥育し、11〜12ヵ月で重量約1,200ポンドになると処理する。バラエティーミートも最高で見た目も良い。
2方式とも子牛の疾病防止用の薬を混合した注射を2回打つが、ホルモンや抗生物質は使用しない。均質で安全な肉質で、なによりも味の良い牛肉が得られる。日本の平均的なフィードロットに導入すると、飼料の効率と平均日間体重の増加が進み、若齢で出荷できるメリットが期待できる。
この肥育方式に関する連絡先は以下になります。
ラウル・バクスター氏(World Food and Agriculture Business Development)
メールアドレス:rjbworldwide@aol.com
※2009年9月 USMEF
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