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牛肉市場動向 |
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【2008年・2009年の輸出量を上方修正】
米国農務省(USDA)は月間「World Supply and Demand Report」で、2008年・2009年度の牛肉輸出の予測値を、いずれも8月度予測値から各々18億4,100万ポンドと20億6,000万ポンドに引き上げた。また2008年と2009年度の生体牛価格を、需要高と供給不足を反映して各々94〜96ドルと94〜102ドルに上方修正した。
【1〜7月の牛肉輸出、順調に推移】
今年1〜7月の牛肉輸出量は前年比28%増の54万4,008トン、販売額は価格アップを反映して37%増の19億4,400万ドルに達した。7ヵ月間の全輸出量・全輸出額に占める各国の割合は、メキシコ(44%、42%)、カナダ(18%、23%)、日本(8%、11.7%)、エジプト(8%、2.6%)になっている。ベトナムにも2万1,215トン輸出しているが、大半は現在米国産牛肉の禁輸措置をとっている中国に送られたと思われる。
USDAは、2008年の輸出量は83万5,000トン、2009年は93万4,400トンと予測しているが、2003年12月以前のレベル(127万6,000トン)に戻るのはまだ先のようだ。最大の障害は日本が設定している肉牛月齢20ヵ月以下の制限だ。輸入を再開した韓国向け輸出は好調で、2003年以前のレベルには回復していないが、韓国のお盆にあわせて販促活動を実施した小売りチェーンでは、通常の3倍の30トンが完売した。
※2008年9月10・12日 Meatingplace.com & 2008年9月22日 Cattle Buyers Weekly |
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豚肉市場動向 |
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第3四半期は予想より処理加工のペースが遅く、枝肉重量が少なかった。そのためUSDAは、2008年度・2009年度の商業用豚肉生産量を、各々8月の予想値の235億5,600万ポンド・230億2,500万ポンドから、234億7,600万・229億8,000万ポンドに下方修正した。
一方、第4四半期の処理加工数は、過去最高を記録した昨年同期比で2.5%の増加がみこまれる(ミズーリ大学予想)。9月前半には週間処理頭数が230万頭を突破し新記録となった。しかし過去最高の輸出量が続き、こうした大量の頭数をほとんど捌いているので、今後は減速する可能性がある。
輸出は2008年度上半期、過去最高のペースで好調に推移した。輸出量で月間新記録を連発した中国/香港の堅調が目立ったが、米国食肉輸出連合会(USMEF)は「特定の国に偏らない市場の多様性と需要の深さが見られた」と説明している。
各主要市場の1〜7月実績は以下の通り:
【中国/香港】 |
上半期輸出量は前年比で324%増加。しかし政府が国内増産に力を入れているため、下半期の販売は減速が予想される。 |
【メキシコ】前年比で輸出量が31%、輸出額は39%伸びた。
【ロシア向】前年比で輸出量が153%、輸出額は158%伸びた。
【日本】輸出額では最大市場。輸出量が24%、輸出額は27%伸びた。
【カナダ】輸出量が24%、輸出額は21%伸びた。
【韓国】輸出量が41%、輸出額は23%伸びた。
※2008年9月15日、16日 Meatingplace.com & 2008年9月17日 Meat&Poultry.com |
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米国、中国に牛肉輸入解禁を迫る |
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米国は9月中旬開催の米中商業貿易合同委員会会議で、2003年12月から米国産牛肉の輸入を中断している中国に対し、解禁を求める予定だ。中国は2006年4月に条件付き解禁に合意しているが、いまだ実施されていない。米国のギテレス商務長官は、「牛肉問題がどう進展するかわからないが、会議の議題には含まれている」と述べている。米国側は商務長官に加え、シュワブ通商代表も参加している。
※2008年9月15日 Meatingplace.com |
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メキシコ、米国向け食肉輸出を再開 |
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メキシコは、6〜7月に実施された米国農務省食品安全検査局(FSIS)の査察結果を受けて、8月末から自主的に米国向け食肉輸出を中断していた。その後、食肉検査やコンプライアンス強化の是正措置を取り、9月4週に輸出が再開された。業界団体側は「生産者はプロトコルの管理面を見直して、生産チェーンの全段階での必要書類の整備を行った。今後のトレーサビリティー向上につながる」と説明している。
※2008年9月23日 MEAT International.com |