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肉牛の頭数減少続く |
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頭数の伸びが鈍い状況が4年続き、現在はさらなる頭数調整の段階に入っている。今年1月1日時点の肉牛頭数は前年比1.0%減。米国農務省(USDA)が7月25日に発表した中間報告では、上半期の肉牛頭数は3,300万頭(前年3,335万頭)だった。育成農家は今年前半、干ばつ、燃料等の経費の高騰、営業利益の不振を理由に、飼育頭数を減らしている。
しかし肉牛頭数が減少しても、2009年中盤までは肥育牛全体に影響はない見込みだ。3〜6月期にフィードロット導入頭数を大幅削減したことで、7月1日時点でのフィードロット外の肥育牛頭数は数十万頭増加している。今年1月1日時点のフィードロット外の肥育牛頭数は10万頭(前年比0.3%)減。出産の条件が良好なため、今年の子牛出産頭数は昨年度より多い見込みだ。
※2008年7月28日 Cattle Buyers Weekly
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フィードロット内頭数増加の動き |
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6月のフィードロット導入頭数は、4ヵ月連続で前年実績を下回り、結果3〜6月期の導入頭数は前年より約60万頭少なかった。7月25日付のCattle On Feedでは、6月度導入頭数は前年比5%減少で、ここ10年で最少としている。
しかし既報の各種レポートは、「7月は、昨年7月の導入頭数が極度に少なかったため、前年比で大幅増加」と報じている。こうした動きの中、牧場には飼育スペースがあり、トウモロコシ先物市場が大幅下落(7月3週終値は7ドルを下回る)したことから、肥育業者は導入頭数増加に期待を寄せている。また10月以降は105ドルを超える生体牛先物市場の動向も追い風になっている。
※2008年7月21日 Cattle Buyers Weekly
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予測が難しいトウモロコシ価格 |
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トウモロコシ先物相場の予測は非常に難しいとアナリスト達は述べている。事実、最新の開花状況を受けて、相場は気象予報が出るたびに変動している。今後は収穫が近づくにつれ、早霜の被害が出ないかが問題だ。「発育状況の好転」宣言を疑うアナリストもいる。最新のレポートによると、全国開花率は13%(昨年59%、5年平均36%)。USDAをはじめ、大学やエコノミストによる1エーカー当たりの収穫量の予測値には、143〜152ブッシェルの幅がある。収穫に影響する全ての生育条件を考慮すると、収穫高を予想するには時期尚早で、今後ゆるやかな価格の下落とみる一部業界の予測は楽観的すぎるという指摘もある。
※2008年7月21日 Cattle Buyers Weekly
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