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韓国、米国産牛肉の輸入規制改定を発表 |
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米韓自由貿易協定(KORUS・FTA)の前提条件とされていた、米国産牛肉の韓国輸入交渉が妥結した。早ければ5月中旬から輸入が再開される。
新たな輸入衛生条件は国際獣疫事務局(OIE)の指針に沿ったもので、規制は段階的に改定されることになる。最初は生後30ヵ月齢未満の牛由来のボーンイン、ボーンレス、バラエティーミートの輸入が認められる。その後、米国が動物飼料措置の強化を交付した場合は月齢制限が撤廃される。ただしOIE規格では安全とされる特定部位(SRM)などは輸入品目から外される。
【今後の見通し】
輸入再開により、特にこれまで韓国が輸入していた上位2カットであるショートリブとチャックロールなどの値上がりが予想される。輸入全体のうち、ショートリブは40%、チャックロールは15%、リブフィンガーは9%を占めていた。既に牛肉が供給不足の上に韓国の需要が加わると、牛肉全体の値上がりの可能性も考えられる。
今回の妥結は、米ドル安、米国ミートの生産過剰、韓国市場の高い牛肉需要は勿論、出荷可能牛が増える夏に向かう、絶好のタイミングといえる。米国食肉輸出連合会(USMEF)は、今年5〜12月の韓国向け牛肉輸出は8万トンと予測している。これは2003年実績の5〜6割に相当する。全面的に解禁すると、通年ベースのビーフ・ビーフバラエティーミート輸出量は24万6,595トン、輸出金額8億1,500万ドルとなり、3番目に大きな米国産牛肉輸出先に復帰する数字だ。
また牛肉禁輸の間、主要蛋白源であった豚肉の主役交代や、マーケットシェア7割を占めていたオーストラリア産に対し、グレインフェッドのショートリブを大量に提供できる米国の供給能力の優位性も期待される。
※2008年4月18日 Meatingplace.com & 2008年4月21日 Cattle Buyers Weekly
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好調続く米国産豚肉・牛肉輸出 |
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米国農務省(USDA)発表のデータ[米国食肉輸出連合会(USMEF)まとめ]によると、今年1〜2月、豚肉業界は好調が続く輸出に支えられ、また牛肉輸出も堅実に前年を上回る利益を上げている。USMEFは「今後も輸出市場が米国食肉業界の成長の原動力となるだろう。米ドル安、価格の優位性、競合の生産量低下があいまって、世界各地での継続的な伸びを後押ししている」と述べている。
2月の豚肉輸出(バラエティーミート含む)は1月を6%上回り5ヵ月連続で記録を更新し、前年比では55%も伸びた。豚肉生産量は前年より12%増加して、上昇が続く生産コストをカバーするための値上げができない。仮に輸出なしで今の生産ペースが続くと、さらに1日6万頭を国内で消化する必要があり、大幅な値下がりになる。今年1〜2月で豚肉輸出量は41%増加して30万4,651トン、輸出額は6億8,500万ドルだった。
一方牛肉のマッスルカットは前年比36%増加して7万6,445トン、バラエティーミートは17%増加して5万3,529トンで、合わせて前年比40%増加して12万9,974トン、4億4,200万ドルだった。
輸出の好調が続く一方で、豚飼育の赤字は過去最高レベルに迫っている。3月の飼育コストは54.19ドル(100ポンド当たり)で成豚価格40.62ドル(同)を上回り、一頭当たり39.49ドルの赤字を出した。秋には60ドルに達する可能性を示唆するエコノミストもいる。
※2008年4月11日 Meatpoultry.com & 2008年4月18日 Meatingplace.com |