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株価暴落が肉牛市場に影響 |
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低所得者向け住宅ローン市場の株価暴落で、肉牛および農産物市場が揺れている。8月16日午前のサブプライムローン市場の株価急落が畜産先物価格にマイナスに作用し、肉牛肥育業者は横這いか若干低めの現金価格を受け入れざるを得なかった。取引価格はサザン・プレーンズ(オクラホマ南部〜テキサス北部)が90〜90.50ドル、ネブラスカは90ドルで、午後遅くまでにかなりの取引量にのぼった。
株式市場の大幅下落(343ポイント)の影響で、生体牛先物市場は8月分が90.40ドル、10月分が93.70ドルに下がった。株式市場はその後劇的な回復を見せ、終値は13ポイントの下げ幅に止まったが、既に牛・穀物を含む商品先物相場に影響が及んでいて、食肉・鶏肉会社数社の株が数ポイント下落した。一方パッカーは、株式下落のお陰で多少安値で生体牛を買い付けることができた。
※2007年8月20日 Cattle Buyers Weekly
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先物相場の急落で現金取引価格下がる |
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先物相場の急落後の一時的反発のなか、生体牛現金取引価格は値下がりした。8月7日、テキサス市場の生体牛価格は前週金曜日に比べ1ドル安の91ドル。翌8日のカンザス市場では前週金曜日より1〜1.50ドル安で、平均では生体牛90.85ドル(牛肉142.55ドル)だった。
先物市場の下落は直近の契約月でもっとも顕著で、8月2週の月−金で、8月分契約は280ポイント、10月分は312ポイント、12月分は245ポイント減少した。また対韓輸出の滞りでボックスビーフ価格が低迷し、市場を圧迫し始めた。
こうした状況は、現金取引においてパッカーに有利に働いた。ネブラスカ市場の肥育業者は、8月9日までは牛肉価格で144ドルを要求していたが、その後143〜143.50(生体牛で90〜90.50)ドルに下がった。カンザス・テキサス市場の取引はさらに少なかった。一方、フィードロット内頭数は前年割れが続いている。7月度導入頭数は前年比で大幅に減少した。生体牛供給数の減少は、第4四半期に入っても続くとアナリスト達は見ている。
※2007年8月13日 Cattle Buyers Weekly
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肉牛頭数減少で、2008年度牛肉生産量は減少 |
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USDAは、農産物の世界的需要供給を予測しているが、その中で、米国の食肉生産量を911億8,400万から909億6,900万ポンドに下方修正した。第2四半期の牛肉・ブロイラー生産量が減少し、今年後半は肉牛処理頭数も減少が予想されるためだ。USDAキャトルレポート7月号は、「2007年度の子牛出生頭数は2006年より少なく、2008年の出荷頭数は減少が見込まれる。そのため8月段階の予想牛肉生産量は262億500万ポンドになる」と報告している。豚肉の予想生産量は219億9,500万ポンドで変更はない。一方輸出量は、牛肉が複数の市場で売り上げ増加が続いているため、2007年、2008年とも各々13億64,00万ポンドと16億9,500万ポンドに上方修正された。豚肉は出荷量が予想を下回っているため、2007年、2008年とも下方修正された。
※2007年8月13日 MeatPoultry.com
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