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米国トウモロコシエタノール市場動向 |
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< 干ばつ懸念で2ヵ月ぶりの高値 >
米国のトウモロコシ地帯は、これまで19年周期で、長期の干ばつに見舞われている。そのため、6月11日のシカゴ商品取引所トウモロコシ先物市場は、深刻な干ばつへの不安から、2ヵ月前にUSDAがトウモロコシ播種計画を発表して以来の最高値に高騰した。
< 食肉業界、上院に長期的代替策を要請 >
一方、食肉業界では、2月に全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)が、エタノール生産に対する政府補助や輸入エタノールの関税(54%)の撤廃、トウモロコシからセルロースエタノールへの切り替えを政府に要請する施策を承認している。今回は、米国食肉協会(AMI)、全米鶏肉協会(NCC)、全国豚肉生産者協議会(NPPC)、NCBA、食料品メーカー/食品協会が合同で上院に書簡を送り、長期的エネルギー代替案を要請した。上院で提出されている生物燃料を5倍に増量する計画は、必然的にトウモロコシエタノールで対応されるが、適切な予防対策を実施しないと、食品や飼料、国民の健康、環境に影響を与えると指摘している。業界は、再生可能・代替エネルギーの推進は支持するが、トウモロコシエタノールの供給も限界に近づいているため、セルロースエタノールなど、その他の長期的な解決策を求めた。すでに食料品の供給、価格の面で影響が出ている。
< USDA、トウモロコシエタノール副産物の活用状況を調査 >
USDAは、6月29日、畜産業界におけるトウモロコシエタノール生産の副産物(主に蒸留かすとトウモロコシグルテン)の飼料としての活用状況調査の結果を発表する。調査は9,400カ所(12州)の畜産関連施設を対象に実施された。蒸留かすの供給量は来年までに670億ポンドになるが、配合比率は20%以下に抑え、豚の飼料では更に少ない配合にすべきだと述べている。
※2007年6月12、18日 Meatingplace.com
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2007年第1四半期の米国産食肉輸出動向 − 米国産豚肉の輸出No.1市場は日本 |
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米国産豚肉の対日輸出は、数年来好調で、USMEFの試算では、1992年以来452%の伸びになっている。最新の統計では、豚肉・豚肉バラエティ−ミートの輸出金額・量とも日本がNo.1市場になっている。第1四半期の豚肉輸出総額9億8,500万ドルのうち、対日輸出は39%の3億8,400万ドルを占め、2位メキシコ(15%)、3位カナダ(14%)が続いている。USMEFでは販促活動の一環として、2007年より「毎日おいしいアメリカン・ポーク」キャンペーンを展開中で、低脂肪タンパクの日替わりレシピを紹介し、好評を得ている。
一方、牛肉総輸出量は5月10日時点で1万2,200トンに達し、第1四半期の輸出金額・量はともに14%増で、回復傾向を示している。
※2007年6月13 Meatnews、6月14日 Meatingplace.com
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