家畜の安全基準を定める国際獣疫事務局(OIE)は、5月22日の総会で、米国を「BSE感染のリスクが管理されている国」と、全会一致で正式に認定した。これにより米国は、牛の月齢にかかわらず牛肉輸出が可能になる。米国政府は、日本と韓国の米国産牛肉輸入の全面解禁に向けた弾みになると期待しているが、現時点では日韓両政府とも「OIEの決定のみで直ちに輸入政策を変更することはない」と表明している。米国農務省(USDA)のジョハンズ農務長官は、「貿易相手国には、OIEの認定を受け、期限を設けて輸入条件を修正するよう、米国政府の期待を伝えている」と述べている。米国食肉業界は、今後21/23ヵ月齢の感染性試験報告書を踏まえつつ、日米間で牛肉貿易のあり方が討議されるものと期待している。
韓国の検疫局は、「4月下旬以降に韓国に輸入された米国産牛肉に、ボーンチップの混入はなく、5月第3週現在で合計20トンがスムーズに検疫を通過し、さらに20トンが検疫中か検疫待ちである」と報告している。5月末までに100トン以上、6月からは毎月5,000トンの入荷を見込んでいる。検疫には、国際的に受け入れられているガイドラインに沿った、自動輸入情報システムも活用している。
またボンインミートと検疫関連の問題については、米韓両国は5月末のOIE総会後に話し合いを再開することで合意している。前回の会談では、米国の問い合わせに応じて、韓国側がボンインミートの検査方法や基準を説明し、さらに意見交換が行われた。
季節がら供給量が増えるため、牛肉卸売価格と生体牛価格が安定化の傾向を見せている。5月第3週のボックスビーフ最高値は、4月中旬に記録した春先の最高値を下回った。生体牛価格は、サザン・プレーンズ(オクラホマ南部〜テキサス北部)市場では横這いから高値が見込まれ、ネブラスカ・コロラド市場では概ね前週から変動は無かった。アナリストは、今後は週を追って出荷可能牛が増えるとみている。加えて営業利益もこの1年で最も好調なことから、パッカーの処理頭数増、牛肉増産につながっている。
その結果、カットアウト価格は今後2〜3週間で大幅に値下がりする可能性もある。5月28日のメモリアルデー連休にかけて、牛肉の売り上げは好調と見込まれるが、4月中旬に卸売価格が値上がりしたため、小売りサイドでは、6月中は例年のような積極的な販促活動の予定はなく、むしろ豚肉、鶏肉、牛挽肉に力を入れている。そのため、5月第3週には、50コンテナ分の挽肉価格は過去最高レベル(1ポンド当たり1.05ドル)に達した。
アイオワ州立大学・農業農村地域開発センターが実施したインパクト調査によると、エタノールブームでトウモロコシ価格が上昇した影響で、食品価格の値上がり分は、年換算で既に140億ドル(1人当たり47ドル)に達していることが分かった。トウモロコシ価格を昨年8月実績の1ブッシェル2ドルから4.42ドルに上昇という想定で試算すると、家畜生産者や小売業者が、飼料値上がり分のみを価格に転嫁したという控えめなシナリオでさえ、食品値上がり総額は200億ドルにもなる。原油やトウモロコシの値上がりで、エタノール生産量が2012年までに300億ガロンに増えると、米国内のトウモロコシ、小麦、その他雑穀の半分以上を消費することになる。それは食肉小売価格の上昇、食肉生産量の減少、さらには穀類・食肉輸出の減少を招く、と警告している。
【トウモロコシ価格が10年間で1ブッシェル2ドルから4.4ドルに値上がりと仮定した場合の影響】
ヘルムート・カイザー・コンサルタンシー社の市場調査によると、この3年間で、ナノテクノロジーが食品・飲料パッケージ業界に与える影響が広まっているという。ナノパッケージ製品の全世界の売上げは、2002年の1億5,000万ドルから、2006年は9億8,000万ドルに伸びている。今後10年間で、ナノテクノロジーは食品パッケージビジネスの25%を占めるようになり、金額にして年間300億ドルの市場になると予測されている。従来の単なる「パッケージ」から、マルチ機能を持ったインテリジェントな手段に進化し、食品の品質を向上させ、利用者の多くのニーズや要件を満たす「サービス」になるだろう。
3年前、ナノパッケージ製品数はわずか40点だったが、現在は400点を超えている。大きな傾向としては、パッケージ素材の機能アップ、賞味期限の延長、抗菌性やインタラクティブ性のある製品の登場がある。分子レベルで素材の組織構造を変えて、望ましい材質特性が実現できるため、プラスチックでも気体、液体、蒸気の浸透性を与えたり、軽量化、防炎、保温機能も加えられる。風味や色の保存、輸送、使い勝手も容易になる。ナノフィルムは細菌や微生物の侵入を防ぎ、さらにはナノセンサーを埋め込むと、食品が劣化する前にアラームを発したり、含まれている中身の栄養価の正確な状態の情報を提供することも可能だ。おまけに排ガスゼロのリサイクルを実現し、天然資源の節約にもつながる。詳しくは http://www.hkc22.com/