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Volume 051 Apr 24, 2006
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BSE関連ニュース
USDA、輸出認証施設の再点検へ

米国農務省(USDA)は、3月末の日米専門家会議で合意した輸出再開に向けた改善策の一環として、牛肉生産工程における食品安全を徹底するためのチェックリストをまとめた。現在、日米間で審議を続けており、検討終了後はそのリストに基づいて各輸出認証施設の再点検を行う。

※2006年3月31日 Meatingplace.com
韓国、米国産牛肉の輸入再開に遅れも

韓国農林水産省は、米国3例目のBSE感染牛の月齢を確認するデータが不十分なため、輸入再開の再度延期もあると述べた。同省はUSDAに追加情報を要請しており、月齢確認のため専門家を米国に派遣する可能性もある。

※2006年4月6日 Meatingplace.com
全国個体識別システム、運用に向け準備進む
  

USDAのジョハンズ農務長官は4月6日、「全国個体識別システム(NAIS)の整備は予定通りに進んでおり、2007年までに運用を開始し、2009年までには全面実施の予定」と発表した。来年までに家畜追跡情報処理システム(Animal Trace Processing System)を稼働させ、家畜の疾病が発生した場合、連邦及び州の家畜保健担当者がNAISと民間のデータベースを検索し、対象牛の追跡ができるようにする。ただし、現在登録済みの施設は全国の10%(23万5,000ヵ所)で、一部の州に限られている。同省はこれまでシステム立ち上げに8,400万ドル、識別と自動データ収集のフィールドテストに300万ドルを投じており、現在、動植物衛生検疫局(APHIS)がテスト初期段階での所見をまとめた報告書を作成中。

※2006年4月10日 Meatingplace.com
全頭検査要望しても牛肉貿易のルールは不変

3月末、米国カンザス州の牛肉加工会社、クリークストーン・ファームズが、全頭検査の容認を求めてUSDAを提訴した。しかし、日米間の貿易合意では全頭検査を義務づけておらず、中川農林水産相は、高い費用を投じて日本の制度に対応しようという同社の努力は認めながらも、「独自に全頭検査を行っても、同社への優遇措置はない」と明言した。一方、ジョハンズ農務長官は「主要輸出相手国との牛肉貿易や食品安全の問題が解決するまで、これまで通りのペースで肉牛のBSE検査は続ける」と述べている。米国農務省の監視強化プログラムは、当初12ヵ月から18ヵ月の予定で始まったが、既に23ヵ月目に入り、3月26日までに66万7,823頭が検査を終えた。

※2006年4月3日 Cattle Buyers Weekly
米国食肉市場ニュース
牛肉市況(4月3日〜4月7日)
週間と畜頭数 :63.6万頭(前年比9.5%増)。
肥育牛の取引価格 (100ポンド[約45kg]当たり) :主要5市場では平均80.40ドル(前週比3.51ドル安)。
枝肉価格は平均125.80ドル(同7.80ドル安)。
牛肉価格 :歩留まり等級3(YG3)のチョイスは139.15ドル(前週比0.09ドル安)。
YG2〜3のセレクトは127.45ドル(同1.37ドル安)。
〜豚肉〜豚肉市況(6月6日〜10日)
豚肉市況(4月3日〜4月7日)
週間と畜頭数 :199.2万頭(前年比0.3%増)。
肉豚の現金取引価格 : 前週比で横這いから1.75ドル安で推移。
 
市況ニュース
市場の低迷は2002年危機の再来

先物取引価格が大幅に下落し、市場は4年前と同じ状況になっている。1月から4月にかけての生体牛取引契約は、100ポンド当たり16ドルの赤字となり、その影響で現金取引価格は1月中旬の高値から13ドル以上も下落した。月ベースでは、今年の1〜3月で、昨年の1〜7月と同等の下げ幅になっている。

先物市場の暴落には、肉牛供給量と枝肉重量の増加、牛肉需要の低迷、日本や韓国の輸出市場再開の遅れ等も影響している。しかし最大の原因は、第2四半期の牛肉、豚肉、鶏肉の生産量が過去最大に達し、前年同期比でも4.5%増になっていることだ。また、価格の下落が更に続くかどうかも不透明だ。

今年は先物取引価格と現金取引価格が共に周期的な底値になっているが、それでも2002年と比較するとかなり高い。2002年の生体牛価格は、4月1週の72ドルがその後3週間で64ドルまで下落したが、今年は4月2週の予想価格が前週比1〜2ドル安の82〜83ドルと、80ドル台を維持している。

4月1週中頃には先物取引に活気が戻ったが、アナリストは底打ち宣言にはまだ慎重だ。この先、牛肉需要のピーク時を控えていることもあり、動きは遅いが市場の上向きが期待される。

※2006年4月10日 Cattle Buyers Weekly
牛肉需要伸び悩み
  

生体牛・ボックスビーフ価格の盛り返しには、牛肉需要の改善が鍵となる。しかし先週の動きを見ると、小売業者の積極的な買い付けがない限り牛肉価格の上昇は見込めそうにない。4月1週前半のチョイス価格は横ばいで、水曜には前日より100ポンド当たり1.83ドル安で376荷(load)の「捨て売り」があった。処理頭数が前週の61万3,000頭より増えるという予測により、価格は更に下がった。

今後も多量の牛肉が市場に出回ることから、買い手側は当面必要な量しか買わず、5月の発注分も決めていない。第1四半期は赤身肉と鶏肉の供給量が過去最高の217億ポンド、前年比で4.5%増加し、第2四半期も引き続き前年比4.5%増の225億ポンドと予測されている。このうち牛肉は、前年比で10%多い68億ポンドとみられている。

※2006年4月10日 Cattle Buyers Weekly
業界ニュース
スミスフィールド、アリゾナ工場拡張

同社はアリゾナ工場を大幅に拡張し、一日当たりの処理能力を1,800頭から2,500頭に上げて増産体制を整備する。総工費900万ドルの工事で、二層式枝肉消毒キャビネットと新しい皮剥機も設置し、7月1日に終了予定。その後は更に工場に物流センターを新築し、生産部門を拡充して処理頭数分を全て加工できる体制にする。

※2006年4月10日 Cattle Buyers Weekly
トレンドニュース
在来型スーパー、食肉売り場で差別化へ

恒例のフードマーケティング協会(FMI)と米国食肉協会(AMI)の共同調査によると、統合が進む小売業界で、在来型食品スーパーの差別化ポイントは食肉売り場の充実だとしている。
一般消費者1,750名を対象としたインターネット調査の主な結果は以下の通り:
【価格】

  • 購入する部位、製品タイプ、量、購入店を決める要因
  • 同じ売り場内で比較(90%)、他店と比較(80%)
【購入店舗】
  • 普段、食料品は食品スーパーで買う人の86%が、主に利用している食品スーパーで食肉も購入。
  • 普段、食料品はスーパーセンターで買う人の58.7%が肉も同じ場所で購入するが、26.5%は在来型の食品スーパーで購入。
【購入量】
  • 沢山買って冷凍する(51%)、2〜3日で使い切る量を購入(49%)
【購入量を増やす要因】
  • 良質の製品や部位(50.5%)、製品や部位の種類が豊富(40.9%)、接客サービスやアドバイスの充実(20.8%)、レシピの数や内容の充実(13.9%)、案内表示の数や内容の充実(11.7%)
【オーガニックミート利用状況】
  • 過去3ヵ月に購入経験あり(17.4%)、購入店は在来型食品スーパー(48%) 自然食品店(29%) 肉屋(10%)
【夕食に肉料理を食べる頻度】
  • 平均で週4.3回(特に鳥肉と牛肉)
  • 週1回以上食べる:チキン(90.1%)、牛肉(83.3%)、豚肉(57.9%)
  • 調理・加工済み製品(ローストチキン、バーベキューリブ・チキンナゲット、調理済みハンバーガー)より 生肉(fresh cut)を好む。
【週1回以上調理】
  • 生肉(93.4%)、加工済み製品(42.8%)、調理済み製品(34.8%)
【一切買わない】
  • 生肉(2.8%)、調理済み製品(28.5%)、加工済み製品(28.2%)

※2006年4月6日 Meatnews.com & 2006年3月29日 FMI・AMI共同ニュースリリース
Impressions
−第16回−
安全性の確保とコンプライアンスは異なる

米国産牛肉の輸入再開が、アジア各国で再び話題になっている。骨の混入など、コンプライアンス(準拠)に関する議論が中心らしい。コンプライアンスは決まり事だけに、合致しないものが拒否されるのは当然だ。だが、商品の安全性担保という点から見て、それが不可欠かどうかは疑問だ。また、それによってかさんだ経費を顧客サービスとして回収することが正しいのかどうか。

現在日本で議論されている米国産牛肉輸入条件についても、安全性の確保とコンプライアンスに対する思い込みが混同し、話を不透明にしてはいないだろうか。2001年に日本で初めてBSEが発見されて以来、科学的議論はほぼ尽くされたように思える。にもかかわらず全頭検査による非現実的な安全性神話や、消費者の間に過剰な不安を喚起することで、自らのポジション稼ぎに利用する者たちが後を絶たない。

こうした連鎖の最終的な被害者は、消費者ではなく業界である。日本の食肉業界は今、情報の収集・理解に励み、消費者の啓蒙活動などを通して、誤った認識の払拭に乗り出す時期に来ているのではないだろうか。(差無)

 
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