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Volume045 Jan 30, 2006
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「Be&Po」とは、Beef(牛肉)とPork(豚肉)を合わせた言葉で、アメリカン・ミートがもたらす豊かな食の世界を表現しています。
今回の米国産牛肉輸入停止措置について

この度の米国産牛肉輸入停止措置発表に対し強い衝撃を受けております。同時に、あってはならない極めて基本的な現場での過失により、これまで輸入再開と拡販にご尽力頂きました日本の関係者の方々へご迷惑をおかけしていることを心からお詫びいたします。

現在、米国政府はジョハンズ農務長官の指示のもと、緊急措置を打ち出すと共に、原因究明と今後の体制強化を含めた対策を日本政府に今週早々にも提出することとなっております。1月20日に発表された緊急措置の内容は下記のようになっております。

  • 当該問題に関する調査結果、米国による措置の概要を日本政府に書面で提供する。
  • 当該製品を輸出した食肉処理工場は既に輸出許可リストから除外され、したがって今後は日本へ牛肉を輸出することはできない。
  • 当該の製品を検査し、日本への輸出を承認した農務省食品安全検査局の職員に対して、適切な人事措置を取る。
  • 農務省の検査官チームを日本へ派遣し、日本の検査官と協力して、現在承認待ちの出荷品をすべてを再調査し、日本との輸出合意の条件に従っていることを確認する。
  • 牛肉輸出を承認されている全施設に他の農務省検査官を派遣し、作業手順を見直して、米国の輸出合意の順守を確保させる。
  • 農務省の検査官2人が、輸出用米国産牛肉の全出荷品を検査し、合意の順守を確認することを義務付ける。
  • 牛肉輸出を承認されている全施設の抜き打ち検査を行う。
  • 米国におけるこうした追加的な検査要件は、牛肉輸出を承認されたすべての処理施設、および米国からの輸出用のすべての牛肉出荷品に適用される。
  • 農務省の牛肉検査官全員が輸出合意のあらゆる条件を十分に理解するよう追加的な訓練を受けることを義務付ける。
  • 牛肉を輸出する米国の全処理施設の代表を集めてこれらの条件を見直してもらうための会合を準備する。

弊連合会でも米国の対日輸出関連企業に対し、昨年12月の輸入再開以前より日本向けルール準拠の徹底のみならず、日本の消費者の安全性に対する考え方の違いなどをセミナー、勉強会などを開催してきましたが、引き続き理解徹底に努めてまいります。

また、日本においては、今後とも日本の一般消費者及び、関係者への信頼再構築に努力してゆく所存です。

BSE関連ニュース
韓国、米国産牛肉輸入部分的解除へ

両国は1月中旬の専門家会議で、3月下旬をめどに、29ヵ月齢以下の牛由来のボンレスビーフに限定した輸入解禁に合意した。米国からリブの安全性を証明するデータの提供があれば、骨付きビーフについても解禁を検討する意向を表明したが、当面は骨付き肉、ソーセージやパティー等の牛肉加工品、内臓肉等は解禁しない。リブは韓国消費者の好物で、輸入禁止前は輸入量の3分の2を、内臓肉は売上の14%を占めていた。

アジアではこのほか、台湾も今週半ば30ヵ月未満、ボンレスビーフのみの条件で再開を発表した。タイは1月2週の自由貿易会談で再開を検討し、牛肉の安全性を証明する文書をはじめ、詳細を詰める予定。

※2006年1月6, 13 16, 17日 Meatingplace.com
米国食肉市場ニュース
〜牛肉〜
牛肉市況(1月9日〜13日)
週間と畜頭数: 60.6万頭(前年比1.8%増)。
肥育牛の取引価格 (100ポンド[約45kg]当たり):
主要5市場では平均93.25ドル(前週比0.09ドル高)。
枝肉価格は平均147.50ドル(同1.03ドル安)。
牛肉価格 : 歩留まり等級3(YG3)のチョイスは154.86ドル(前週比1.06ドル高)。YG2〜3のセレクトは141.65ドル(同1.93ドル高)。
 
〜豚肉〜豚肉市況(6月6日〜10日)
〜豚肉〜
豚肉市況(1月9日〜13日)
週間と畜頭数:206.7万頭(前年比1.6%増)。
肉豚の現金取引価格:前週比2〜6.50ドル安で推移。
市況ニュース
本年度生体牛市場見通し、意見分かれる

生体牛価格は、牛肉需要が高いことを理由に全般的に高値という予測がある一方で、出荷頭数、カナダ産肥育牛の割合、牛肉生産量(前年比10億ポンド増)の伸びを理由に幾分安値という予想もある。生体牛、肥育牛、子牛市場の好調維持には、国内外の牛肉需要が鍵となる。昨年平均の88ドルの生体牛価格を維持するには、輸出需要の確保が必要だ。今年の牛肉増産分の半分は輸出に回るという積極論もあるが、アジア向け輸出の条件を満たす肉牛の割合が少ないという慎重論もある。

米国農務省(USDA)は、牛肉生産量は前年比4.8%増の258億5,000万ポンドと見込んでいる。弊紙で市場予測をしたアナリストの大半は255億ポンドと低めの予想だが、それでも前年より8億ポンドの増加だ。

昨年は生体牛の供給不足があったが、今年はフィードロットや枝肉重量の伸び、カナダ産肥育牛輸入の倍増が見込まれ、生体牛価格は84ドルとの予想もある。

それ以外にも、昨年の総頭数は1.7%増の9,750万頭で、肉牛の増加で今年度の子牛生産は少なくとも2%増加が予想される。そのため牛肉生産量が大幅に伸び、2007年もさらに3%増加が見込まれる。

夏場の平均価格は78ドルとの予想もあり、安値は70ドル台半ばの可能性も。昨年秋に軽量の牛の出荷が集中し、重量級の牛が今年第1四半期に導入されたことが懸念材料だ。予想される年間商業用処理頭数は前年比4%増の3,370万頭。

※2006年1月9日 Cattle Buyers Weekly
生体牛・牛肉価格下がる

牛肉の卸売価格が昨年暮れの高値以降値下りが続く中、生体牛価格も若干安値になっている。1月1週のネブラスカ市場では、枝肉は100ポンド当たり149ドル、生体牛は93ドルと、前週比1ドル安で取り引きされた。それでもパッカーは1頭当たり25〜30ドルの赤字となり、処理頭数を減らして2週も生産カットの見込みだ。昨年1〜2月のような大幅な赤字は避けたいところだが、フィードロットやほぼ出荷可能な牛の頭数が前年同時期より多いにもかかわらず、生体牛不足が続いている。また先物取引(96.27ドル)と現金取引での価格の大きな開きも影響している。そのため、肥育業者がヘッジした肉牛を売り、パッカーが契約した牛を買うことが極めて難しくなっている。ボックスビーフ価格は特にチョイスが1月1週に盛り返したが、週後半に155.21ドルに急落し、更に150ドル台前半まで下落すると予想されている。国内の牛肉需要が鍵となるが、2〜3月は年間で牛肉売上げが最も低調で、週間処理頭数はしばらく60万頭前半にとどまる見込み。

※2006年1月9日 Cattle Buyers Weekly
業界ニュース
米国産豚肉輸出、好調続く

積極的な販促活動も手伝って、2005年度(11ヵ月合計)の米国産豚肉・内臓肉の輸出量は13%、輸出金額も19%増加してその人気ぶりを示した。日本市場が牛肉輸入を再開したことで、特に冷凍豚肉輸出への影響も懸念されるが、全般的には2006年も引き続き好調が予測されている。日本の大手小売店約800店が参加した販促活動に加え、パッキング技術、シェルフライフ、チルド輸送の改善もアジア市場拡大に貢献している。韓国向けは、昨年11ヵ月間の輸出量が178%、輸出金額は198%伸びている。米国にとって2番目に大きい豚肉輸出市場であるメキシコでも、広告キャンペーンの成功で、牛肉輸出解禁後も豚肉市場が伸びることが実証されている。

※2006年1月17日 Meatnews.com
USDA、豚ゲノム配列に1,000万ドルの助成金

1月13日、USDAのジョハンズ農務長官は、イリノイ大学の豚ゲノム配列プロジェクトに1,000万ドルの助成金を贈ると発表した。今後2年間で、疾病への耐性が高く、一度に多くの子豚を産み、脂肪の少ない肉になる優良遺伝子を持つ豚の特定と選別につながる、DNAに基づいたツールの開発を目指す。同プロジェクトには全国豚肉委員会(NPB)、アイオワ州豚肉生産者協会、アイオワ州立大学、ノースカロライナ州豚肉評議会、ノースカロライナ州立大学からも資金が寄せられている。

※2006年1月16日 Meatingplace.com
Impressions
−第14回−
痛恨の極み

日本の消費者、業界の皆様には、今回の件により多大なる混乱とご迷惑をおかけし、誠に申し訳なく思います。今回、1月20日にアメリカのニューヨーク・ブルックリンのパッカーから出荷された子牛に、日本では特定危険部位と定義されている脊柱を含む商品が発見されたことは大きな驚きであり、あってはならないことでした。

そのパッカーも、輸出証明書にサインした米国農務省の検査官についても、輸出をすること、その輸出先のルールについての認識の欠如、甘さがあったとしか言いようが無く、報道におけるパッカー側のコメント「サンフランシスコに出荷して問題ないものを、日本へ輸出することに問題があるとは思わなかった」は、まさにその認識の欠如を表すものです。

今後米国側から、原因調査と防止対策が報告書としてまとめられ発表されますが、失ってしまった信用と信頼を回復することは、今までの何倍も何十倍も大変なことだと認識しなければなりません。業界としては政府が規定する以上の安全策が必要でしょうし、また単なる対策と実施でなく、輸出先のお客様優先という魂を込めたエキスポート・マインドを再認識する必要があります。

今後も繰り返し繰り返し、心を込めた説明や対応を行っていく以外にアメリカン・ビーフの信用を回復する道は無いと考えています。(ガクドー)

米国食肉輸出連合会:〒107-0052 東京都港区赤坂1-6-19 KY溜池ビル5階 Tel.03-3584-3911 Fax.03-3587-0078 URL http://www.americanmeat.jp