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Volume037 Sep 20, 2005
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BSE関連ニュース
FDA、「牛由来原料の食品・化粧品への使用」に関する最終規則を発表

9月6日、米国食品医薬品局(FDA)は2004年7月に発表した暫定規則の数項目を修正した最終規則を発表した。これにより、特定の牛由来原料の食品・化粧品への使用が可能となる。同規則は感染性のあるBSE病原体を媒介する可能性がある牛由来の原料を、食品、栄養補助食品、化粧品に使用することを禁止しているが、暫定規則に対するパブリックコメント募集期間中に得られた科学的情報で、回腸遠位部を小腸から確実に分離し除去すれば、小腸全体を危険部位とする必要はないことが確認された。その結果、回腸遠位部の分離・除去の徹底を条件に、牛の小腸を食品・化粧品の原料として使用することを認め、規則を修正した。実施予定は10月7日。
詳細はhttp://fda.gov/を参照


※2005年9月6日 米国食品医薬品局ニュースリリース
USDA、BSE陽性牛の疫学的調査終了

8月30日、米国農務省(USDA)と食品医薬品局は、2004年11月にBSEで死亡した牛に関するテキサス州政府との共同調査を終了し、調査報告書を公表した。

DNA分析の結果、テキサス州の牧場が調査牛の生産牧場であると特定。調査牛は死亡時で推定12歳のブラーマン種の交雑種だった。その後チャンピオンペットフードの工場に移送され、BSE検査後、焼却処分された。

当初の検査で陰性反応が出たため、米国農務省は調査牛、牧場、同時出生牛の調査を中止したが、その後の検査で陽性が立証され追跡調査を再開した。調査牛の死亡前2年間に同農場で生まれた67頭は、いずれも陰性であったが廃棄処分とした。また調査農場から出荷された200頭については、143頭が処理・加工され、1頭が死亡と確認、2頭が生存と確認され、そのうち1頭は陰性、もう1頭は調査対象外の牛とし、34頭は死亡と推定、20頭は追跡不可能と断定した。調査牛から生まれた子牛と同時期出生の213頭の子牛のうち、208頭は処理・加工を確認、4頭は処理・加工と推定、1頭は追跡不能だった。90年以降、当該牧場では9ヵ所の飼料工場で製造された21の飼料・飼料添加物が使用された。

1997年の飼料規制以降に購入した飼料には、禁止されているほ乳類蛋白質は含まれていない。

また調査で訪問した9ヵ所の処理・加工場と、8ヵ所のレンダリング施設は、全て飼料規制を遵守して操業されていた。

報告書全文はhttp://www.aphis.usda.gov/

USDA、個体識別制度進捗状況報告

8月31日、米国農務省ジョハンズ農務長官は全国個体識別制度の第一段階として、10万ヵ所以上の施設が既に登録を済ませたと発表した。また2009年初めの全面義務化に向けた制度の指針もまとめた。これは2006年初めに本番化予定のNCBA(全米肉牛生産者・牛肉協会)が創設した制度など、既に業界側で推進している個体識別制度と概ね合致している。以下は指針概要:

生産者・関係者に過度の負担を与えずに、原産地から加工までの家畜の移動履歴を、48時間以内に追跡が可能である。
政府機関の規模や役割を過度に増大せずに推進できる体系の制度である。
既存のテクノロジーも新たな識別用テクノロジーも活用できる、柔軟性のある制度である。
畜の移動に関するデータは、必要に応じて州・連邦の保健機関がすぐにアクセスできるよう、民間制度で維持する。

NCBAは「ジョハンズ農務長官は、官民協働のアプローチで移動データを管理し生産者情報の機密性が守られると述べており、指針については協会も勿論同じ考え方だ」と、農務省の姿勢を歓迎している。


※2005年8月31日Meatingplace.com
米国食肉市場ニュース
牛肉市況(8月29日〜9月2日)
週間と畜頭数 : 63.6万頭(前年比0.9%減)。
肥育牛の取引価格 (100ポンド[約45kg]当たり) : 主要5市場では平均81.10ドル(前週比0.55ドル安)。枝肉価格は平均127.50ドル(同0.85ドル安)。
牛肉価格 : 歩留まり等級3(YG3)のチョイスは134.01ドル(前週比1.50ドル高)。  YG2〜3のセレクトは124.08ドル(同0.05ドル安)。
  ※2005年9月2日 Cattle Outlook (Glenn Grimes & Ron Plain)
〜豚肉〜豚肉市況(6月6日〜10日)
豚肉市況(8月29日〜9月2日)
週間と畜頭数 :200.6万頭(前年比2.1%減)。
肉豚の現金取引価格 : 8月末までは高値で推移したが、9月に入り概ね前週より値下がりした。
成豚の現金取引価格 : 電話取引における取引価格は、前々週比で横這いから若干高値で推移。重量別では40〜50ポンドは98.00ドル。50〜60ポンドは98.00ドル。60〜70ポンドは101.50ドル。
 
  ※2005年9月2日 Hog Outlook (Glenn Grimes & Ron Plain)
業界ニュース
ハリケーン被害、牛肉業界にも影響

ハリケーン「カトリーナ」の影響が牛肉業界にも広がっている。供給が寸断された石油・天然ガスの価格が上昇し、消費者の可処分所得の減少が予想される。食料品店やレストランも損壊や休業となっている。この被害で本来なら牛肉消費が増える9月連休の売上も落ち込んだ。牛肉売上への影響が今後数週間もしくは数ヵ月間に及ぶのではという懸念から、9月初旬の生体牛先物価格は大きく下落した。現金取引価格はサザンプレーンズ(オクラホマ南部〜テキサス北部)で100ポンド当たり1ドル安の81〜81.50ドル、ネブラスカでは牛肉価格で3〜4ドル安の126〜127ドルであった。市場調査によると、7月21日以来、原油価格の上昇で消費者の購買力は570億ドル減少し、これは1人当たり19ドルの消費支出の減少になる。石油価格の高騰は牛肉消費に明らかにマイナスに影響している。小売価格は数年前と比べ大きく下がっていて、販促をしてもすぐ牛肉の購入に結びつく様子はない。そのため今後も牛肉需要の低迷が、牛肉卸売価格浮上の障害となるだろう。


※2005年9月5日 Cattle Buyers Weekly
食肉業界、カトリーナ被災者への救援呼びかけ

ハリケーン被災者救援活動の輪が広がり、食肉会社や関連団体からの食材や寄付が、被災地に送られている。

タイソンフーズ
調理済み食品と社員の同額寄付を合わせて100万ドルを支援。救世軍が配給する50万食の食事、赤十字のボランティア動員費用に充てられる。
TCFA(テキサス肉牛肥育業者協会)
赤十字に25,000ドル寄付。さらに特別せり市を開き、45日間で100万ドルを集める予定。
NCF(全米肉牛生産者協会)
NCBA(全米肉牛生産者・牛肉協会)会員に、被災した牧場経営者の家屋再建用の資材やサービスにあてる寄付を呼びかけ、既にカンサス州畜産協会が2,500ドルを寄付。
AMI(米国食肉協会)
1989年に「ニーズを満たす」(“Meating”the Need)プロジェクトを共同で立ち上げたアメリカズ・セカンドハーベスト*への寄付を会員に呼びかけている。特にビーフジャーキー、缶詰、水、スナック、ピーナッツバター、洗剤、消毒剤を求めている。

*米国最大の饑餓救済団体。200以上の食糧銀行/食糧救済制度を通じ、年間2,300万人に緊急食糧援助を行っている。
※2005年9月5日 Meatingplace.com
ナチュラルビーフは10億ドルのニッチ市場

米国内でナチュラルビーフを販売する主要企業数社は、ここ数年来前年比20%以上の伸びを示している。最近までは個人や家族が創業した中小企業が主流だったが、2004年5月に国内4位の食肉加工会社、ナショナルビーフパッキング(NBP)が参入し業界の構図が変わった。同社の2004年度全社売上高は41億ドルで、一気にナチュラルビーフ部門でトップグループにランクインした。

同社の参入は、その規模、スケールメリット、販売力で他社にプレッシャーとなっているが、それでも数社は中小規模でも好調に推移しており、牛肉以外の食肉、家禽肉まで拡大したところもある。またNBPが、自社では対応できない小規模のパッカーや食肉会社の注文に応じて製品加工を行うという興味深い展開もある。

ナチュラルビーフの最大手、BCナチュラルフーズ(コロラド州)の赤身肉事業部(牛肉、豚肉、羊肉を含む)の2004年度売上高は2億ドルを超えた。このうち牛肉は75〜80%を占める。牛肉事業部には、ナチュラルビーフの草分けで、米国農務省の「ナチュラル」の認証1号を取得した、コールマンナチュラルミート(1979年創業)が入っている。


※2005年9月15日 Cattle Buyers Weekly
Impressions
−第9回−
選挙はお祭りのようなもの?

9月11日の衆院選挙には行かれただろうか。小生はここ数年、不在者投票も含め皆勤賞である。昔は棄権も立派な意思表示だと思っていたが、最近の政局を見ているとそれすら不安でならないし、国民の権利と義務を履行していないと思うようになった。

投票はある種の信任契約だ。有権者は顧客であり、議員はその信任を受けて国政サービスを提供する。

今回全党のマニフェストを読んだが、抽象論のオンパレードだと感じた。選挙戦では立候補者が他党を批判し、マスコミは自民党が送り込んだ「落下傘」や「刺客」の動きを連日報道したが、我々に理解できるレベルで何がやれるのか、聞いたことはなかったように思う。立候補者の一部はマスコミでも大きく取り上げられたが、有権者はどこまで「候補者自身」の話に耳をかけていたのだろうか。握手したと狂喜乱舞する有権者の姿に、人気タレントへの憧れと同じものを見たような気がした。

今回の選挙に向けられた関心が、一過性でないことを望む。我々の一票を信頼の証として、立候補者は大きな責任を実感すべきであり、契約不履行であればその地位を失って然るべきだ。そのためにも我々有権者は感情に流されることなく政治を冷静に見つめ、厳粛に投票すべきだと思う。(差無)

This project funded by US producers.
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