vol.56 特集 レシピ かたまり肉を味わいつくそう!
アメリカン・ビーフならではの肉の旨味を堪能するならかたまり肉が一番。まずは基本から学んでいこう!
かたまり肉が料理をアゲる!
思いっきり肉料理を楽しむなら、〝かたまり肉〞が断然おすすめ。保存性が高く、意外とリーズナブルで、あらゆる料理に変幻自在。 見た目も華やかなローストビーフからジューシーで旨味たっぷりのステーキまで、アメリカン・ビーフを満喫したい!
- 1) かたまり肉の醍醐味は自分好みの厚さにカットできること。豪快にアメリカン・ビーフを堪能したければ厚切りに。
- 2・3) 用途に応じて自分好みの大きさに切り分けることができるのもかたまり肉ならではの魅力。
アメリカン・ビーフのなかでも、色々な料理に使いやすい部位としておすすめなのが、比較的価格も手ごろで、手に入れやすく、濃い旨味が特長の肩ロース。店頭ではローストビーフ用のかたまり肉として「ザブトン」という部位の肉が販売されている場合もあるが、これも肩ロースである。
CHECKスライスした肉が重なりあっている場合、肉同士が密着している部分が黒ずんでいることがある。これは新鮮な肉であっても起こることで、色の変化は肉に含まれるミオグロビンという色素によるもの。黒ずみは肉が酸素に触れていなかったことで起こる現象。しばらく空気に触れさせて赤色に発色すれば、品質を疑う必要はない。
サイズの大きなかたまり肉は、1度で食べきれないことも。2、3日以内に食べる場合は、空気が入らないようしっかりとラップで包み冷蔵保存を。さらにアルミホイルで包み冷凍保存すれば、1ヶ月は味を大きく損ねることなく楽しむことができる。
まず覚えておきたいのは店頭で「米国産」や「US産」、「アメリカ産」と記載されているものはすべてアメリカン・ビーフであるということ。そして、かたまりのアメリカン・ビーフは、事前に店舗へ注文しておくと入手しやすくなることもポイント。
以前はアメリカン・ビーフを買おうと店に行っても、焼肉用やしゃぶしゃぶ用といった薄くスライスされたものしか買うことができなかった。しかし最近、「かたまり肉」でアメリカン・ビーフを楽しむ人が増えるに従い、店頭での品揃えも豊富になってきているという。
「日本は昔から薄切り文化なんです。焼肉やすき焼き、しゃぶしゃぶなど、家庭で人気のメニューに適した形状にカットして売るのが主流でした。ところが近年、食の欧米化が家庭でも浸透し、年末に精肉店などでローストビーフカットが売られるようになると、ローストビーフや厚切りステーキなどでかたまり肉のジューシーさが広まり、〝かたまり〞でアメリカン・ビーフを買う方が増えたのです。この需要に押されるように、精肉店のみならず、スーパーマーケットでもかたまり肉が販売されるようになりました」。
国内での食肉販売の変遷について教えてくれたのは、アメリカン・ビーフのかたまり肉を豊富に取り揃える『宍倉精肉本店』の宍倉たけるさん。
かたまり肉が身近になると、アメリカン・ビーフの楽しみはいかに広がるか?
「アメリカン・ビーフのかたまり肉の魅力はジューシーさにあります。かたまりなら肉汁を逃すことなく調理することができるからです。また、ステーキなら、食べる人に合わせて、それぞれの好みに沿った厚さにカットすることができますし、角切りや細切りにするのも自由。つまり自分好みにカット、調理ができます。また、余らせたとしても保存ができますから、ぜひ試していただきたいですね」