vol.55 コラム アメリカン・ポーク × “発酵”の方程式

肉の栄養学 第2回 ビタミンB群 肉の栄養学 第2回「ビタミンB群」

普段あまり意識しないビタミンB群。実は、疲労回復や美肌に欠かせない「代謝」と深い関係がありました。

ビタミンB群はスタミナ補給に欠かせない重要栄養素!

体力不足や疲れを感じた時、無性に食べたくなる肉料理。これは、体の中で不足したタンパク質を補おうとしている証拠だという。「大豆などの穀物には植物性タンパク質が含まれていますが、人間と同じ哺乳類の肉に含まれる動物性タンパク質の方が良質だと考えられます。

また、何より肝心なのはタンパク質をエネルギーに変えるためのビタミンB群が肉類には豊富に含まれていること」と語るのは、栄養改善普及協会会長の五十嵐脩氏。

「毎日の食事をエネルギーに変え、元気の源を作る仕組みと深く関係しているビタミンB群が、最も多く含まれるのが豚肉です。ビタミンB群は短時間で多量に摂取すると体外へ排出されてしまいます。毎日の食事でバランスよく摂取するためにも、調理のしやすい豚肉は最適です」。ここで、私たちの健康に欠かせない、ビタミンB群についてさらに深掘りしていこう。

Q1 ビタミンB群とは?

ビタミンB群は「代謝ビタミン」とも呼ばれる、私たちが生きるためのエネルギーを作るのに欠かせない栄養素。ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンB12、葉酸などがあります。一般的な日本人の食生活で必要量を摂取できると考えられがちですが、体内で作ることも貯蓄することもできないため、実際は不足しがちな栄養素のひとつです。

Q2 ビタミンB 群はどんな働きをするの?

炭水化物や脂肪、タンパク質が分解されエネルギーとして代謝される経過で、ビタミンB群は重要な働きをします。ビタミンB1は体や脳の疲労回復に役立ち、ビタミンB2、B6は皮膚・毛髪・粘膜・爪などの細胞を再生させる働きを助けます。
また、体内でアルコールを分解するときに、二日酔いを防ぐ働きがあるナイアシンなど、アメリカン・ポークに含まれるビタミンB群は健康維持に欠かせない栄養素です。

Q3 疲労回復にはどの肉が効果的?

「肉を食べて元気をつけたい」という時は、栄養価の観点からアメリカン・ポークがおすすめです。
特に、疲労回復をサポートし、エネルギーの源となるビタミンB1は、あらゆる食品の中で豚肉が最も効率よく摂取できます。例えば、アメリカン・ポークの肩ロースには、鶏モモの約7 倍、和牛肩ロースの約8倍ものビタミンB1が含まれています。また、アメリカン・ポークは国産豚と比べても、カロリーや脂質がより少ないというヘルシーさも注目したいポイント。ダイエットを気にしている人でも、高い栄養価を低カロリーで摂ることができる効率的な栄養補給が可能です。

アメリカン・ポーク:財団法人日本食品分析センター調べ
国産豚肉(大型種)、鶏肉(成鶏肉):五訂食品成分表

Q4 ビタミンB12や葉酸不足が原因の「悪性貧血」とは?

貧血にはいくつかの原因があり、一般的に多い「鉄欠乏性貧血」の他に「悪性貧血」というものがあります。これは、体内で赤血球がつくられるときに必要なビタミンB12や葉酸が不足して、赤血球が減少するためにおこる貧血です。このため、体内に十分な酸素が供給されなくなり、疲れやすい、すぐ息切れがする、めまいなどの症状がでてきます。特に、妊娠中は造血作用のある葉酸・ビタミンB12などが不足しやすいため、アメリカン・ポークでこまめな摂取を心掛けましょう。

Q5 ビタミンB群をより効率的に摂れる食べ合わせは?

ビタミンB群が豊富に含まれているアメリカン・ポークは、食べ合わせを考えて食べるとより効果的。アメリカン・ポークはアリシンを含む玉ねぎやニラと一緒にとれば、ビタミンB1の吸収をアップさせます。また、β-カロテンが豊富なニンジンなら、ビタミンB6との相乗効果で免疫力を高め、ビタミンCを含むじゃがいもは、ビタミンB2との相乗効果で肌荒れ予防も期待できます。

Q6 女性が気になる美肌や美髪にもビタミンB群が関係している?

美容に効果的な栄養素といえばビタミンCですが、実はビタミンB群も深い関わりがあります。
肌のターンオーバー周期を整え、皮膚や粘膜を正常に保つほか、口内炎や湿疹、皮脂トラブルを原因とした肌荒れを防ぐ効果が期待できます。また、頭皮の血行促進や毛母細胞の再生を助ける働きがあり、頭皮の新陳代謝を高めて白髪や抜け毛予防にも効果的です。健康的な肌や髪を維持するためにも、ビタミンB 群を手軽に摂れるアメリカン・ポークを食事に取り入れてみてください。

お茶の水女子大学名誉教授 (社)栄養改善普及協会会長 五十嵐脩

東京大学農学部農芸化学科卒業。お茶の水女子大学教授、同大学生活環境研究センター長、茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科教授など様々な重職を歴任。ビタミンE、βカロテン、必須脂肪酸の代謝や体内での動態生理作用などについて研究。日本栄養・食糧学会名誉会員、日本ビタミン学会評議員。

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