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TRADER'S Be & Po

vol.307 Mar.12.2018
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 牛カットアウト価格急上昇、肥育牛は軟化
ワールド・トレード 世界農業の長期見通し、米国の食肉輸出は拡大
トピックス 上院議員らがTPP交渉を支持する書簡提出
生産動向 干ばつが肥育素牛の導入を促進
ヒストリー 日本の牛肉輸入自由化合意から30年
健康・栄養情報 高タンパク食がアルツハイマー病のリスクを低減
USMEFインフォメーション アメリカン・ビーフ マイレージキャンペーン
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2018年1月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

牛カットアウト価格急上昇、肥育牛は軟化

 
 

生体牛の現金取引価格は、大幅に回復した後で反落した。先週水曜日(2月21日)の生体牛価格は100ポンド当たり128ドル、金曜日(2月16日)からおよそ2ドル安となった。一方、カットアウト価格は急上昇した。アナリストは、これによってパッカーマージンは3週連続の赤字から黒字に転じそうだという。

カットアウト価格の急騰は、今後の需要への影響も懸念される。牛肉の卸売価格は前年同期比で10%以上高い。このままでは、小売業者は4〜5月に牛肉の販促を抑制する可能性があり、出荷間近の肥育牛が増加する3月下旬以降、生体牛価格に強い値下げ圧力がかかるかも知れない。

先週の主要5州の去勢牛平均価格は同129.75ドル、枝肉は同205.02ドル。前週比でそれぞれ3.60ドル、4.69ドル高。肥育業者は値上がりに反応して販売頭数を増やし、同週の主要5州の販売頭数は12万7306頭(前週比84%増)に達した。

肥育業者は勢いに乗って生体牛を132ドル、枝肉を208ドルで売り出したものの、先物市場で投機筋が買いから売りにポジションを転換、2月受渡分の生体牛が65ポイント安の129.65ドルで取引され、現金取引価格も生体牛128ドル、枝肉204ドルへと反落した。

 

※2018年2月26日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ワールド・トレード

世界農業の長期見通し、米国の食肉輸出は拡大

 
 

USDA・ERS(米国農務省経済調査局)が発表した世界農業の長期見通しによると、今後10年間の米国産牛肉・豚肉の輸出は、米ドル高にもかかわらず、世界経済の堅調な成長に沿って増加すると予想されている。特に新興国と発展途上国の経済が、米国産食肉の海外需要を支える。

【牛肉】

米国産牛肉の輸出は、2019〜2020年に一度落ち込んだ後、ゆっくりと成長すると予測されている。牧草牛肉を輸出するブラジル、インド、豪州に続き、米国は世界第4位の輸出国の座を維持する。

輸出は緩やかに成長するものの、世界の主要な牛肉輸出11カ国の中で米国が占めるシェアは、わずかながら低下する。一方で輸入は、予測期間の前半5年間は米国が世界最大の輸入国だが、その後は急激な需要増が予測される中国に次いで世界第2位となる見込み。

  世界の牛肉輸出入長期見通し(枝肉換算)
 

【豚肉】

米国産豚肉の輸出は、牛肉よりも速いペースで拡大すると予想される。養豚部門の生産効率の高さにより、国際市場での競争力が継続的に高まる。米国は、EUに次いで第2位の豚肉輸出国としての地位を維持し、第3位のカナダの2倍以上を輸出する。

今後10年間で、世界の豚肉輸出市場におけるEUのシェアは39%から35%に低下、カナダもわずかに低下し、米国のシェアは約30%から33%に拡大すると見込まれている。

 

※2018年2月28日 Meatingplace.com、輸出入予測表はUSDAのデータを基に本誌が作成

  世界の豚肉輸出入長期見通し(枝肉換算)
 
トピックス

上院議員らがTPP交渉を支持する書簡提出

 
 

トランプ大統領のTPP(環太平洋連携協定)復帰に関する最近のコメントを支持し、25人の共和党上院議員らが連名で大統領に書簡を送った。その内容の要点は「貿易と投資の障壁を緩和し、米国の知的財産権を保護し、米国の企業、製造業者、農家、漁民、牧場経営者の競争条件の公平化をはかることが最重要事項である」とし、アメリカ国民が貿易相手国のもたらす多大な機会によって繁栄できるように、TPPへの参加を優先することを求めている。

その上で現政権が制定した規制緩和と改革、そして大統領が署名した実質的な減税法案が促進したアメリカのこの一年間の経済成長を、TPPが維持、強化するだろうとしている。この書簡は、先週、トランプ大統領がマルコム・ターンブル豪首相とホワイトハウスで会談を行うのに先立って送られた。両首脳は、貿易および両国の経済成長について議論すると見られていた。

 

※2018年2月26日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
生産動向

干ばつが肥育素牛の導入を促進

 
 

南部平原の多くの地域で発生している干ばつにより、フィードロットへの素牛導入が増え続けている。干ばつは、冬季の飼料となる小麦と雑穀の生産にも影響を与えている。USDAの推定によると、1月1日時点で穀類を給餌されている子牛は150万頭で、前年の180万頭より16.7%、30万頭少ない。これが全米の肥育牛頭数の底上げに繋がった。1月1日のフィードロットの総飼養頭数は1400万頭で、前年より7.2%、93万9000頭多い。

干ばつの発生により、フィードロットへの素牛導入のタイミングにもズレが生じている。一部の牛が牧草地から早めにフィードロットへ移動した結果、1月1日時点で2018年に導入される予定の子牛は前年より2.3%、44万7000頭減少している。

通常であれば、冬季も牧草地で子牛として飼養された後に、フィードロットを経て第2四半期にと畜される見込みだった牛が、第1四半期に出荷されてくる可能性がある。今後数カ月の導入時期と導入時の重量は、南部平原の降雨量にかかってくる。

 

※2018年2月26日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ヒストリー

日本の牛肉輸入自由化合意から30年

 
 

米国の牛肉業界にとって最も重要な市場である日本が牛肉の輸入自由化を合意してから、今年で30年になる。昨年、日本への米国産牛肉の輸出量は30万7559トン、輸出額は18億9000万ドル。1978年に初の日米牛肉交渉合意以来、米国産牛肉の日本向け輸出額は累計で362億ドルに達した。

1978年の初合意の下では、6年間にわたって割当枠3万6000トンを上限に拡大。続く1984年の合意で米国産牛肉は日本市場での存在感を強め、1988年の合意から3年後に日本は割当制度を廃止し、輸入を自由化した。関税は40%から70%に引き上げられたものの、その後、段階的に引き下げられ、現在は38.5%になっている。

この歴史は、USMEFの前会長兼CEOのフィリップ・セング氏が講演で語ったもの。同氏によると、日本の米国産牛肉の輸入自由化の合意は、自動車の輸入と平行して行われたが、その後の30年間で日本が輸入した米国の自動車の輸入額は累計270億ドル、牛肉の輸入額より90億ドル余少ない。加えて、日本は1987年から2017年までの間に、米国産豚肉を301億ドル輸入している。牛肉と豚肉を合わせると、累計輸出額は自動車よりも393億ドルも多いという。

NAFTA(北米自由貿易協定)の下での食肉輸出30年の歴史も同様に興味深い。牛肉はメキシコに累計195億ドル、豚肉は160億ドル輸出されてきた。カナダ向けの牛肉が累計153億ドル、豚肉は104億ドル。韓国向けの輸出額も30年間超で牛肉が累計118億ドル、豚肉は46億ドルにのぼっている。

 

※2018年2月26日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
健康・栄養情報

高タンパク食がアルツハイマー病のリスクを低減

 
 

高齢者の高タンパク食および食物繊維の摂取が、アルツハイマー病(AD)の予防に効果的であることを示唆する研究成果が発表された。発表したのはオーストラリアの臨床研究者の多施設共同研究チーム。このチームは、老化に関するイメージング(画像診断データ等)、バイオマーカー(人の身体の状態を客観的に測定し評価する指標)、ライフスタイルの研究を複数年行っており、その一環として今回、認知機能の正常な541人のコホート(集団)から報告されたタンパク質および繊維質の食物摂取量を分析した。

研究者らは、タンパク質をより多く消費している集団ほど、ADの前駆物質のバイオマーカーであるアミロイドベータ(Aβ)が脳への負担になる可能性が低いことを発見した。肉や豆類などを最も多く消費するグループ(1日約118g)は、最も少ないグループ(同54g)と比べてアミロイドベータ濃度が12分の1であることを発見した。

 

※2018年2月27日 Meatingplace.com

 
USMEFインフォメーション

アメリカン・ビーフ マイレージキャンペーン

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は4月1日〜6月30日まで「たくさん食べて、豪華景品を当てよう!アメリカン・ビーフ マイレージキャンペーン」を実施します。アメリカン・ビーフの販売店すべてが参加できる新スタイルのキャンペーンです。

アメリカン・ビーフの値付けラベルを集めて応募すると、抽選で1129名(Wチャンス賞含む)に賞品が当たります。購入した商品重量に応じて賞品のコースが選べるもので、賞品は①1ポンドコースがBRUNOホットプレートグランデサイズ(15名)②1kgコース・ニチネンカセットガス式バーベキューグリルQUICKLY(同)③3kgコース・Panasonicロティサリーグリル&スモーク(同)。Wチャンス賞はアメリカン・ビーフオリジナルトートバック(1084名)。

食べれば、食べるほど賞品が豪華になるコース設定により、店頭での購買意欲を高め、アメリカン・ビーフの売上、購入頻度の向上を目指します。店頭ツールとして「A4 応募リーフレット」「2層式オンパックシール」などを用意しました。キャンペーンに参加を希望される方に無償で提供いたします。

問合せはUSMEF笠谷 tkasatani@usmef.org まで。

  たくさん食べて、豪華賞品を当てよう! アメリカン・ビーフ マイレージキャンペーン
   
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート