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TRADER'S Be & Po

vol.300 Nov 6.2017
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 牛肉の需要好調、重量低下で市況は強気
生体豚上昇基調も供給増が値下げ圧力に
トピックス 豚枝肉格付基準の改正案でパブコメ開始―USDA
業界ニュース CABの販売記録、2年連続で最高値を更新
飼料関連ニュース トウモロコシ収穫予想を上方修正
USMEFインフォメーション ごちポの「ごちポうさま!」キャンペーン展開
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2017年8月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

牛肉の需要好調、重量低下で市況は強気

 
 

生体牛と牛肉市場は引き続き強気だ。国内外での牛肉需要と枝肉重量の低下が要因。小売での牛肉の売れ行きが予想以上に好調で、輸出も前年以上の水準を維持している。一方で枝肉重量は前年を下回り、過去5年平均よりもわずかながら低い水準にある。

9月の出荷頭数は、と畜日数が1日少ないことを勘案すると前年同月比5〜7%増と推定される。12月契約分の生体牛先物価格は、現在の現金取引価格より大幅な高値を付けているが、これまでのところ出荷ペースは衰えていない。

今年の牛肉需要は、「10年に1度の語り草」と言われるほど好調だ。ボックスビーフ価格が低下したことで小売価格も下がり、小売の牛肉販促が活発化。同時に雇用増と賃金上昇により、アメリカの消費者の可処分所得は少なくともここ10年で最も増え、消費者の牛肉購入金額を増加させている。

アナリストは「10月中旬の小売の食肉販売をけん引したのは牛肉。雇用と所得が増加するに従って牛肉の販売は伸びる。10月は全米豚肉月間にもかかわらず、牛肉の販促は継続されている。失業保険申請件数は過去43年間で最低水準であり、雇用と所得の増加トレンドは今後も続く。世界経済も牛肉の輸出にとって良い兆しを示している」という。

9月の牛肉小売価格は、チョイスの平均価格がポンド当たり5.78ドル(前年同月比1.5%安)。8月の5.97ドルから0.19ドル低下した。牛肉全体の価格小売平均は5.73ドル(同0.3%安)。チョイスの値下がりが大きいのは、チョイスグレードの生産量が記録的水準にあるため。10月16日に公表された最新の格付割合では、チョイスは72.25%(最高記録は74.49%)と多く、プライムも7.44%と過去最高を記録、セレクトは16.11%だった。

前週、チョイスのカットアウト価格は100ポンド当たりで1.35ドル上昇、セレクトは0.75ドル高。10月7日までの週の枝肉重量は、去勢牛が平均895ポンドで前年比16ポンド減、未経産牛平均は820ポンドで同15ポンド減。生体牛の現金取引価格はテキサスで2255頭が110.00ドル、ネブラスカとアイオワでは、これより若干安値で取引された。

 

※2017年10月23日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

生体豚上昇基調も供給増が値下げ圧力に

 
 

生体豚の現金取引価格の反発を受け、先物価格は期近物、期先物ともに上昇している。10月受渡し契約分はポンド当たり60セントを超え、9月に比べて500ポイント高。生体豚の供給は潤沢で、さらに年内には新記録を更新することが見込まれているが、パッカーの仕入れ値上昇の最因は需要の増加だ。

パッカーのマージンは好調で、豚肉供給量が史上最多に達しつつあるが、それでもカットアウト価格は前年と同水準を維持している。生体豚の処理業者は、利益が出せる限りフル稼働を試みるだろう。一方、生産者側では、新工場が稼働したことで、昨年のようなと畜能力を上回る出荷に対する不透明さやパニックの懸念は緩和されている。

ただ、生体豚の枝肉重量は9月上旬から急激に増加した。季節的に供給が増加し、と畜能力が今なおひっ迫しているという事実に直面したためだ。9月上旬に2工場が新たに営業を開始したとはいえ、一気に100%稼働とはならない。生体豚の出荷が増加するにつれ、現金取引価格への値下げ圧力が強まるだろう。

さらに、季節的に需要が低下する品目もある。特にポークベリーは夏場の反発も短期間で終わり、ベリープライマルは100ポンド当たり200ドル超から90ドル前後にまで下落した。この下落だけで、枝肉価格の18ドル下落に相当する。

8月の豚肉輸出は横ばいだったが、週間輸出量のデータによると、現時点での輸出量は前年を上回っている。シュタイナー・コンサルティング社の試算では、9月の輸出量は4億3600万ポンド(枝肉重量ベース)、前年比5.3%増と予想され、10月は推定4億8400万ポンド、同7.1%増。今後は11月の輸出量が大きなカギとなりそうだ。昨年は輸出が急増したことで、生産増の大部分を吸収することができた。現在の先物市場は、今年もそうなることを見据えた動きをしている。

 

※2017年10月16日 Pork Profit Maximizer

  米国の豚肉類(枝肉換算)の月間輸出量の推移
 
トピックス

豚枝肉格付基準の改正案でパブコメ開始―USDA

 
 

USDA・AMS(米国農務省農業販売促進局)は10月23日、豚枝肉の格付基準の改正案を公表し、パブリックコメントの公募を開始した。改正案では、従来の赤身率・脂肪率や歩留まりに主眼を置いた現行の基準とは大きく異なり、リーンカラ―(赤身の肉色)とマーブリング(脂肪交雑)を主な基準とし、プライム、チョイス、セレクトといった等級区分が設定される。

AMSは過去数年間にわたり、豚肉の品質や消費者の嗜好性などに関係する複数の要因について幅広い調査研究を行ってきた。今回の改正案はそれらをベースとし、消費者意識に合った格付を行うことで、豚肉生産者や処理業者を支援するものになるとしている。コメント募集期間は2017年12月22日まで。

豚枝肉の格付基準が改正されるのは1985年以来だ。業界は、現行の格付基準は今日の豚肉製品の多様な価値が反映されているとはいえず、今回の改正案はバイヤーと売り手が品質評価を共有する有効な手段として、業界の再活性化に繋がるかも知れないと期待する。

格付対象範囲は枝肉だが、枝肉に適用されたグレードは、文書やラベルで追跡可能な限り、その枝肉由来のカット全てに適用できる。枝肉は「クラス」と「グレード」ごとに区分される。「クラス」はと畜時の家畜の明白な従性遺伝で決定され、①去勢豚②未経産豚③母豚④成熟後の去勢豚⑤未去勢豚の5つに分類。「グレード」は枝肉の赤身の品質によって決定されるが、対象は去勢豚と未経産豚で、母豚、成熟後の去勢豚、未去勢豚は対象外。

去勢豚・未経産豚の枝肉は、大きく分けて2つの特徴的品質、つまり(1)赤身の肉色と(2)マーブリングの量によって「等級」分けされる。等級はプライム、チョイス、セレクトの3段階。赤身の品質評価は、背最長筋のカット表面(10番目のリブの断面かロイン中の他の断面あるいはバックリブを取り除いた後のボンレスロインの腹部の赤身で最少でも4インチ四方)を、AMSの指定による写真撮影などの補助用器具や装置を使用して測定する。

背最長筋は最低でも若干の締まりがなくてはならない。「わずか」な締まりもない赤身は、格付から除外される。肉色とマーブリングの評価は、NPB(全米豚肉委員会)のデータが基にされる。肉色は1〜6まで、マーブリングは1〜10までで、それぞれの評点と等級の関係は下表のとおり。

  豚枝肉格付の肉色とマーブリングの基準
 
業界ニュース

CABの販売記録、2年連続で最高値を更新

 
 

ブランドビーフ・プログラムとして最も成功しているCAB(サーティファイド・アンガス・ビーフ)は、新たな年間記録を樹立した。9月30日に期末を迎えた39期会計年度の販売量は11億2100万ポンド(前期比10.4%増)に達し、前期を1億600万ポンド上回った。この2年間の成長率は25%増。2017年度は7分類でこれまでの月間最高記録を10カ月上回り、年間では11年連続の記録更新、前期比では13年連続の増加を達成した。

CABのジョン・スティカ会長は「この成長は、繁殖農場で遺伝子改良が急速に進んだ成果だ。生産者は消費者の需要に対して意欲的に、それも異例の速さで適応してきた」と指摘する。通常、牛の遺伝子改良の成果が表れるまでには長い年月を要するが、生産者はこれまで北米にいた最高品質の牛群を結集。干ばつの後、牛の入れ替えと交配において遺伝学的、ゲノム学的な発展性が重視されるようになったことも大きいという。

事実、CAB認定の33カ所の処理施設において、アンガス牛の認定数は増加の一途をたどり、2017年度は1520万頭(同12%増)に達した。週当たりのCAB認定枝肉は8万7000頭を超え、年間では453万頭。CAB認定率は29.7%と史上最高を記録、2006年と比較すると2倍以上に達している。

供給の増加に後押しされ、CABのマーケットシェアも拡大した。2017年度の出荷された肥育牛のうち、認定パッカーでCABの品質基準10項目を全て満たしたのは18.4%。2006年は6.6%だった。CABの世界的なネットワーク形成も強化された。認定パートナー数は1万9000を超え、国際部門の販売量は49カ国で1億7450万ポンド(同26.4%)と過去最高を記録。中国、ドミニカ共和国、ペルーなどが新たな市場として加わった。

2017年の販売量のうち、小売部門は4億5600万ポンドで40%以上を占めた。価格が低下したことで動きが良くなり、販促機会も増えた。外食部門も3億8500万ポンドと新記録を達成。牛ひき材は170万ポンド増え、1億5860万ポンドに。ミドルミート(ロイン系)は8.4%増、CABプライムは35.3%増。

 

※2017年10月16日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
飼料関連ニュース

トウモロコシ収穫予想を上方修正

 
 

USDAが発表したWASDE(世界農業需給予測)によると、2017〜18年度のトウモロコシの推定収穫量はエーカー当り171.8ブッシェルと、9月時点の予想値より1.1%増え、アナリストの予想平均170.1ブッシェルを上回った。

主要生産州のほぼ全てで収穫量の増加が見込まれるが、アイオワにおける増加が最も影響力がありそうだ。アイオワの収穫量はエーカー当たりで4ブッシェル上方修正(2%増)された。さらにインディアナとイリノイでも増加が見込まれている。

収穫量は上方修正されたものの、生産量が大幅に増加したわけではない。作付面積は50万エーカー、収穫面積は40万エーカー下方修正したためだ。2017〜18年度のトウモロコシの生産量は142億8000万ブッシェルの予想で、9月時点の予想から0.7%増加、前年比では5.7%減少と予想されている。

トウモロコシの生産量は減少するも、今年度の期末在庫量は増加する見込み。在庫増の一因は、生産量の増加に消費が追いついていないためだ。その結果、過去3年連続で在庫の繰り越しが行われている。全米のトウモロコシ在庫は推定23億ブッシェルを超え、前年比32%増、5億5800万ブッシェル増加している。このため、収穫量が8億6800万ブッシェル減少しても、その減少分はこの大量在庫と相殺されるだろう。

さらに深刻なのは、今年度の輸出量が3億7500万ブッシェル(前年比16.9%減)と予想されていることだ。他国でも生産が拡大しており、特に南アメリカとの競争が熾烈化している。ブラジルの期末在庫量も2年前の680万トンから900万トンを超える見通し。

 

※2017年10月16日 Pork Profit Maximizer

  とうもろこしの生産者価格と需要量に対する在庫率
 
USMEFインフォメーション

ごちポの「ごちポうさま!」キャンペーン展開

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は11月9日(木)〜12月31日(日)までアメリカン・ポーク ごちポの「ごちポうさま!」キャンペーンを実施します。流通企業向けの販促支援施策として、アメリカン・ポークを購入されたお客様に、抽選で素敵な賞品が当たるキャンペーンです。

今回のキャンペーンは、期間中に200円以上のアメリカン・ポークを購入されたお客様が、USMEFホームページの特設キャンペーンサイトより①レシート画像と②米国産であることがわかるラベル画像を添付して応募すると、抽選で2000名に「ごちポのグルメセット」などが当たるマストバイキャンペーンです。

賞品はA賞がアメリカン・ポークローストポークとごちポソーセージ1kgをセット(200名)、B賞はごちポ オリジナル ホーローコンテナ(1800名)。賞品の発送は1月中旬以降の予定。

レシートでキャンペーンに応募可能であることを店頭でしっかりと伝えていただくために、店頭用のキャンペーン告知POPを作成しました。11月1日より下記でPOPデータのダウンロードが可能となっていますので、多くの店舗、店頭にて販売促進にお役立てください。

キャンペーン告知POPのダウンロードは
https://www.americanmeat.jp/trd/publications/tool/download/

   
  キャンペーン告知POP
 
 

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