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TRADER'S Be & Po

vol.285 Mar.6.2017
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース ベリーの記録的高値、生体豚価格を支える
牛肉カットアウト下落、今後は小売の販促に期待
供給トレンド 肥育牛の供給は2019年まで増加
ポーク関連ニュース 生体豚と豚肉の価格を牽引するのは輸出
業界ニュース 2016年の牛原皮輸出額、20億ドル超え
USMEFインフォメーション 3月7〜10日「FOODEX」にメンバー4社と出展
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2016年12月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

ベリーの記録的高値、生体豚価格を支える

 
 

生体豚の現金価格は過去2カ月間、着実に続伸し、先週も上昇した。2月17日午後のアイオワ・ミネソタの枝肉価格は100ポンド当たり74.05ドル。前週比で2.85ドル高となった。これを受けて、CMEの現金指標価格は76ドルとなった。

生体豚の現金取引価格は堅調な豚肉需要、特にベリーの強い引き合いと高値が支えている。季節的に供給が減少する中で、パッカーが競って生体豚を確保していることも一因だ。豚肉カットアウト価格は100ポンド当たり84.65ドルで、前週比ではダウンしたが、前年比では13.4%、10ドルも高い。

市場に出荷される豚肉が増加している中、カットアウト価格は高い水準を維持。PEDvによる混乱が起こる前の2012〜2013年の水準に近づいている。ベリーの価格上昇(43%高)が、カットアウト全体の上昇に大きく貢献している。豚肉カットアウトの上昇分(10ドル)のうち、ほぼ9ドルはベリーによるものだ。

ハム(モモ肉)、バット、ピクニックの値上がり分は、ロインの値下がりで相殺されている。ロインは苦戦を続けているが、豚肉供給が前年より3%多いことや豚肉以外の食肉との競争激化を考慮すると、2%安はまずまずと言える。注視すべき点は、春から夏にかけてもベリーの価格が全体を引っ張っていけるかどうか、また小売の販促が一巡すると卸売価格が急落するケースもあることだろう。

 

※2017年2月20日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  ベリーの価格推移
 
 

牛肉カットアウト下落、今後は小売の販促に期待

 
 

牛肉の卸売価格は前年水準を大幅に下回っている。このため、小売業者は3〜4月に牛肉の主要カットや牛ひき肉の販促を積極的に展開しやすい状況にある。USDA公表のカットアウト価格(週間・総合)は、2017年1月の第1週には前年同週比7.5%安で始まり、第2週は同13.1%安、第3週は同13.3%安、第4週は11.3%安で推移。2月に入っても第1週が同11.3%安、第2週は同11.5%安と前年割れが続いている。

今年これまでの牛肉生産量は前年同期比でわずか1.5%増だが、卸売価格は急落した。アナリストは「これは需要と供給のバランスがいかに繊細であるかの表れだ。豚肉の生産量は同2.0%減、ブロイラーは0.1%増だが、1月の小売価格は牛肉、豚肉、鶏肉のすべてが下落。昨年1月との対比では鶏肉が2.0%安、牛肉、豚肉は5.9%も下落している」という。

2月第1週の牛肉のカットアウト価格は100ポンド当たり190.37ドルで、クリスマスの前週以来の低い水準。1月第1週から5週間で7.96ドル下落した。2月第2週は週初からの4日間でチョイスが1.59ドル高、セレクトは2.54ドル回復し、チョイスとセレクトの価格差は1.03ドルまで縮小した。これはチョイスの市場供給量が潤沢であることを示している。

 

※2017年2月20日 CATTLE BUYERS WEKKLY

 
供給トレンド

肥育牛の供給は2019年まで増加

 
 

USDAの牛飼養動向報告では、1月1日時点の総飼養頭数は9359万5000頭(前年比1.8%増)で166万6000頭増加した。2014年から3年連続の増加となったが、2017年の牛群の増加率は小さくなり、2018年には増加基調が終わるかもしれない。

ただ2016年の肉牛および子牛の頭数増は、2017〜2018年の肥育牛の供給増大を示唆しており、大手パッカーは「2017年の生体牛の供給頭数は3〜5%増」と予想する。この増加はすでに先物市場では織り込み済みで、8月、10月、12月分の生体牛取引価格は100ポンド当たり103ドル以下となっている。

アナリストは「2016年が2015年と大きく違うのは、フィードロットからの出荷ペースが加速している中での増加だったこと。2016年のと畜頭数は前年比で去勢牛が120万頭、未経産牛は30万頭増加した。2015年は去勢牛が横ばい、未経産牛は100万頭減少した」と話す。

最も注目すべき点は、雌牛の総飼養頭数が3121万頭(同3.5%増)と104万4000頭増加したことだ。このうち乳用牛雌の増加はわずか0.4%、3万9000頭。さらに子牛の飼養頭数3508万3000頭(同2.9%増)、99万6000頭も増加している。

近年の飼養頭数の増加と牧草地の状況が良好なことから、州ごとの飼養頭数に劇的な変化が起きている。最も顕著なのはオクラホマ、テキサス、ミズーリ、ニューメキシコなどで、オクラホマの肉牛飼養頭数は9%、17万2000頭増、テキサスは4%、17万頭増、ミズーリでは8%、15万頭増加している。逆に2016年に干ばつ傾向が見られた南東部の一部の州では飼養頭数が減少。ミシシッピは5%、2万4000頭減、ジョージア、サウスカロライナはそれぞれ2%、8000頭減、3%、5000頭減。

繁殖用に保有された未経産牛の頭数も予想より多かった。このカテゴリーは推定で前年比1.2%、7万9000頭増加した。子牛価格が2015年春季のピークから2016年秋季までに50%も下落したことから、このカテゴリーは5〜7%減の予想だった。

また500ポンド以上の去勢牛と未経産牛の頭数がほぼ横ばいであること、1月1日時点でフィードロットの外にいる去勢牛・未経産牛が2%増と推定されることなどから、アナリストは2019年まで肥育牛の供給は増加基調をたどると予想している。

 

※2017年2月20日 CATTLE BUYERS WEKKLY

 
ポーク関連ニュース

生体豚と豚肉の価格を牽引するのは輸出

 
 

生体豚価格は2016年10月にポンド当たり40セント近くまで下落し、出荷頭数が週間と畜能力を超えれば豚肉生産者の経済破綻が起こるとの懸念が強まったが、11月以降に状況は好転。12月までに価格は42%上昇し、58セント前後まで回復した。

この要因は、豚肉の輸出需要が劇的に増加したことだ。12月の豚肉総輸出量(調製品含む製品重量ベース)は16万8723トン(前年比14.7%増)。2016年第3四半期でも同13.1%増を記録。これにより年間の総輸出量は178万8000トン(同5.3%増)となった。

  米国の豚肉輸出量(調製品含む)の推移
 

輸出先の傾向では、2つの特徴的な動きがある。1つは、輸出の増加分の90%以上が中国向けの増加によるということだ。中国の豚肉価格の上昇は、経済強化を目的とした中国政府の方針も一因だが、中国と米国産ならびに欧州産の豚肉価格差が広がっている。米国産豚肉の価格は2016年後半に欧州産より明らかに競争力があり、中国向け輸出の回復を下支えした。

2017年の豚肉輸出の展望でも、やはり中国向け輸出需要が大きな鍵となるが、中国の豚飼養頭数の顕著な増加も注視する必要がある。過去の例でも中国の豚肉需要は非常に不安定だ。年間輸出量は2011年に過去最高を記録したが、2012年、2013年と急減している。

2つ目のポイントは、メキシコ向け輸出の急拡大だ。12月のメキシコ向け輸出量は6万6693トン(同21.8%増)、年間の輸出量も史上最大となった。メキシコはこれまでも重要な輸出先であったが、2016年の輸出量は58万8828トンと輸出量全体の3分の1を占めた。長年、最大の輸出先であった日本向けは21%にとどまった。

2017年も、これまでのところ輸出のペースは鈍化の兆しを見せていない。週間の輸出量データでは主要市場であるメキシコ、日本、中国で強い成長を示している。週間輸出データに基づく概算では、1月は前年同月比16〜20%増、2月は同15〜18%増と推測される。

 

※2017年2月20日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  米国の豚肉輸出-主要輸出先国の増減(2016 vs 2015)
  米国、EU、中国の豚枝肉価格の推移
 
業界ニュース

2016年の牛原皮輸出額、20億ドル超え

 
 

2016年の牛の原皮と豚皮の輸出額は2015年の23億ドルからは減少したものの、20億ドルを超えた。アメリカ原皮・皮革協会(USHSLA)によれば、同協会の原皮・皮革企業は米国の全生産量の90%を輸出しており、ステファン・ソースマン会長は「米国は世界の皮革製造産業への主要な原材料サプライヤーとしての地位を確固たるものにしており、米国の農業にとっても大きな成功事例だ」という。

2016年の米国の牛原皮の輸出額は塩蔵皮が前年比5%減の13億9千万ドル、ウェットブルー(クロム鞣し皮)は同19%減の6億600万ドル。最大の輸出先は中国で、塩蔵皮8億6100万ドル、ウェットブルーは2億1700万ドル。他の主要市場は韓国、メキシコ、ベトナム、欧州など。豚皮輸出額は3200万ドルでメキシコと台湾が大部分を占めている。

輸出額の減少は、中国経済の停滞や皮革の履物への利用が世界的に減少していることが要因だか、同協会では2017年は改善傾向へ向かうと予測している。

 

※2017年2月20日 CATTLE BUYERS WEKKLY

 
USMEFインフォメーション

3月7〜10日「FOODEX」にメンバー4社と出展

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は3月7〜10日まで、幕張メッセで開催される「FOODEX JAPAN 2017」にメンバー企業4社とともに出展します。アメリカン・ミートの醍醐味を堪能していただくために展開している「かたまり肉推進プロジェクト」の紹介をはじめ「URBAN BBQ」「ごちポ週間」などの提案を通して、アメリカン・ミートならではのおいしさと楽しみ方を訴求します。

USMEFブースではラウンジスタイルの試食、商談スペースを軸に、ビーフ、ポークの提案部位・メニューを紹介します。主な試食メニューと提案部位はビーフが①ローストビーフ(フラットオブアイアン)②焼きすき(チャックアイロール)③Urban BBQ風ステーキ(ストリップロイン)④アメリカンビーフハンバーグ(ラウンド&チャックほか)。ポークは①トンカラ(CTバット)②トンプラ(CCロイン)③メンチカツ(CTバット&CCロインほか)④Urban BBQ風ステーキ(CCロイン)などを予定しています。同展示会にご来場の際は是非ともUSMEFブースにお立ち寄り下さい。

なお、出展するメンバー企業と主な紹介ブランド・商品は以下のとおりです。

  出展するメンバー企業と主な紹介ブランド・商品
  メンバーロゴマーク
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート