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TRADER'S Be & Po

vol.284 Feb.13.2017
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
生産動向 牛群3年連続増加、1月1日現在の総飼養頭数2%増
市況ニュース ベリー価格180ドル台へ急騰、短期的な動きか
トピックス ポークサーロインロースト、心臓に良い食品に認定
ポーク関連ニュース 豚肉価格は供給増加にも関わらず堅調
リテール 米国の牛肉輸入予測、2017年も10%減
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2016年12月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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生産動向

牛群3年連続増加、1月1日現在の総飼養頭数2%増

 
 

米国の牛総飼養頭数は、2014年を底に3年連続で増加した。USDA(米国農務省)が公表した1月1日現在の牛総飼養頭数は9358万4600頭(前年比2%増)。このうち雌牛は4055万頭9200(同3%増)で、内訳は肉用牛3121万200頭(同3%増)、乳用牛934万9000頭(増減なし)。

未経産牛(500ポンド以上)は2005万2000頭(同1%増)、去勢牛(同)は1635万3500頭(0.2%増)といずれも増加したが、1月1日時点のフィードロット(収容能力1000頭以上)の肥育頭数は1306万7000頭(同1%減)と前年を下回っている。なお2016年の子牛生産頭数は3508万2700頭(同3%増)だった。

  米国の牛総飼養頭数の推移(1月1日現在)
 
市況ニュース

ベリー価格180ドル台へ急騰、短期的な動きか

 
 

ベリーの価格が、この時期にしては異常な高値となった。USDA公表の2月3日の価格は100ポンド当たり180ドルを超えた。前年より40%高く、2015年比では約2倍。豚肉の生産量が前年比で約1.3%増、2013年比では11%増にもかかわらず、ベリーの価格が続伸しているのは、事前契約分の確保で買戻しやパニック買いが起こっていることが要因とみられる。

ベリーの高騰は豚肉カットアウト価格を下支えし、生体豚価格も上昇、生産者利益を大幅に改善させた。12月初旬には、2月契約分の生体豚先物価格は100ポンド当たり54ドルだったが、現在の現金価格は70ドル近い。第1四半期の生体豚価格は赤字になるとみられていたが、これで一気に黒字転換した。

3日の生体豚価格は、枝肉換算ベースで84.46ドルと前年を6.9ドル上回った。下図をみても明らかなように、ベリーの価格上昇はロインとリブの下落を相殺して余りあるもので、カットアウト全体を押し上げた。

生体豚の現金取引とカットアウトの価格高騰は、春から夏季に向けた先物価格の上昇に期待感をもたせているが、市場関係者は1品目だけでここまで価格を上昇させていることの反動リスクにも注意しており、2月と4月分の先物取引価格にはかなりの価格差がある。

予想される大きなリスクの1つは、この価格高騰で小売や外食などのエンドユーザーがベーコンの販売計画を変更する可能性があることだ。現在の高値は、ベリー価格が昨年8月から11月まで安値で推移していたことから、小売や外食が積極的な販促を計画し、第4四半期に予約が入っていたことに支えられている。

ここ数カ月、ベーコンが手頃な価格だったことで消費は順調だった。しかし、消費者は価格に敏感だ。3.99ドルのラベルを張られたベーコンが7.99ドルになれば、消費は一変するだろう。今春の豚肉供給量が前年比3.5〜4.0%増と予想される中で、需要が鈍ると急落するリスクがある。市場の安定のためには、パニック買いによる異常な高値は多少なりとも下方修正される方が望ましいだろう。

 

※2017年2月6日 Pork Marchandiser’s Profit Maximizer

  豚肉カットアウト価格の前年対比
 
トピックス

ポークサーロインロースト、心臓に良い食品に認定

 
 

アメリカ心臓協会は、ポークサーロインローストを「ハートチェック認定製品リスト」に追加した。これにより、ポークサーロインローストのパッケージには「ハートチェックマーク」を貼付することができ、心臓に良い食品であることを消費者により分かりやすく伝えることができるようになった。

ポーク・チェックオフは、アメリカ心臓協会と共同でポークサーロインローストが心臓の健康を保つ上での利点を有することをアピールし、健康な食事に役立つことを訴求していく。

ポークサーロインローストはポークテンダーロインに続き、アメリカ心臓協会が「心臓に良い食品」とするハートチェック食品認定プログラムの必要条件を満たす超低脂肪食肉カットとして認定を受けた。

チェックオフの研究担当者は「肉のパッケージにハートチェックマークを貼付できることは、わかりやすい目印となる。ハートチェックマークは、消費者にとって信頼できるリソースで、買い物客は心臓に良い食品を容易に見分け、自信を持って購入することができる」と語っている。

1995年に制定されたハートチェック食品認定プログラムの栄養要件は、論理的で健全な科学と実績のある研究が基礎となっている。アメリカ心臓協会はアメリカ脳卒中協会とともに、世界中で死因の上位になっている心臓病や脳卒中から人々を救うために尽力している。

 

※2017年2月6日 NPB News

 
ポーク関連ニュース

豚肉価格は供給増加にも関わらず堅調

 
 

ここ7週間(12/2〜1/21)の豚のと畜頭数は1598万6000頭(前年同期比2.1%増)。USDAの最新レポートの豚飼養頭数は2.5%増で、と畜頭数は飼養調査の数値とほぼ連動している。豚の供給が増加している一方で、過去7週間の生体豚価格は前年水準より平均8%高い。この堅調な需要は、短期的には持続するとみられる。

と畜頭数の増加にもかかわらず、国内市場への豚肉供給量はわずかな増加にとどまっている。輸出の増加と人口増加傾向を勘案すれば、国内市場における1人当たりの消費量は実質的に前年を下回っている。

豚肉生産量の増加が、と畜頭数の増加より小幅なのは、生体重量の減少によるもの。現在、生体重量は前年比1%減で推移。ここ3週間は寒波や休日の関係で、豚肉生産量が週当たりで前年実績より平均1700万ポンド(3.3%)減少した。

輸出需要が好調であることも供給増の消化を助けている。週間データからの推定では、12月の豚肉輸出量は20%増、1月は15〜20%増と推定される。2017年の豚肉生産はUSDAの予想てば5%増だが、新しいと畜工場が稼働すれば、昨年のようなと畜能力不足は解消されるだろう。やはり2017年の豚肉の需給と価格動向の重要なガキは輸出である。

 

※2017年1月23日 Pork Marchandiser's Profit

  豚枝肉価格の推移
 
ワールドトレード

米国の牛肉輸入予測、2017年も10%減

 
 

米国の牛肉輸入量は、豪州とニュージーランドからの出荷減少により2年連続して減少する見込みだ。2016年の輸入量は前年比11%減、今年はさらに10%減少すると予想される。

2015年に輸入が増大したのは、豪州が深刻な干ばつにより牛のと畜が進み、米国へ輸出される牛肉が増加したことによるものだった。2016年はその余波と反動で米国への輸出が減少した。2016年の豪州からの輸入量は30億1000万ポンドの予想。

USDAの予想では、2017年のオセアニアからの供給はさらにタイトになり、輸入量は27億ポンドまで減少する見込み。MLAの推定では、豪州産牛肉・子牛の輸出量は2017年に5%減少する見込み。

豪州の牛と畜頭数は2016年に19%減と大幅に減少、2017年はさらに3%減少し、710万頭となる見込み。生体重量はわずかに増加するとの予想されるものの、牛肉生産量は3%減の210万トンとなる見込みだという。上半期は供給が最も厳しい可能性が高く、その後は生産がゆっくりと回復に向かうと予想される。

 

※2017年1月30日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート